トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2008/12/11
【衆院本会議】郵政株式売却凍結法案に賛成討論 原口議員
記事を印刷する





 衆議院本会議において11日午後、『次の内閣』ネクスト総務大臣の原口一博議員が民主党・無所属クラブを代表し、「日本郵政株式会社、郵便貯金及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律案」に対する賛成討論を行った。

 原口議員はまず、2007年10月1日、政府・与党の制度設計により「郵政民営化」が実施されて以来、郵便局のサービスは著しく低下、ゆうちょ銀行の貯金残高が過去3年間、毎年10兆円以上減少するなど、民営化後も事業を担う4社の経営の見通しは不透明であり、深刻な問題が山積していると指摘。民主党がこの夏、さまざまな地域で開催した『次の内閣』閣議においても、郵便局の全国ネットワークやユニバーサルサービスの維持が困難になり、十分なサービスを受け続けられないのではないかといった不安を訴える国民の声を聞いたと紹介。政府が行ってきた「郵政民営化」の現状には多くの問題点が残されており、郵政事業の抜本的な見直しが必要であると主張した。

 いったん株式が売却されてしまえば問題が顕在化しても株式を買い戻すことは事実上困難であるとの認識を示した原口議員は、日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び保険会社の株式の売却を凍結することは必要不可欠であると述べた。

 そのうえで、株式売却を凍結している間に、郵政各社のサービスと経営の実態を精査し、郵政事業の4分社化を見直し、郵便局のサービスを全国あまねく、公平でかつ利用者本意の簡便な方法で利用できる仕組みを再構築すると表明。郵政3事業の一体的サービスの提供を保障するとともに、株式保有を含む郵政会社のあり方を検討するとした。

 原口議員はまた、同法案は一部で誤解されているような国営を戻すことを目的とするものではなく、非効率なことを押し付けながら効率性を求める分社化ありきの民営化を見直すことが目的だと強調。郵政事業における国民の権利を保障するため、国民生活を確保し、地域社会を活性化するため、国民本位の視点からの見直しが原理・原則であるとも述べた。

 「官から民へ」のスローガンとは裏腹に、巨大な国債保有機関となり、地域から資源を奪っている現状を指摘。地域から郵便局が消える危惧が叫ばれ、地域社会で金融サービスが受けられなくなる可能性もあるとして、党派の枠を超えての法案への賛同を呼びかけた。

 最後に、郵政の株式売却凍結をめぐっての首相発言のブレを問題視するとともに、「郵政事業の見直しの理念を全く理解していない麻生首相に320兆円をも上回る資産をもつ巨大な組織の見直しをいう重要課題を任せることはできない」と主張。法案成立後に速やかに解散・総選挙を行い、民主党をはじめとする野党に郵政事業の抜本的な見直しを任せるべきだと求め、討論を締めくくった。

 同法案は、採決の結果賛成少数で否決された。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.