鳩山由紀夫幹事長は13日午後、伊勢崎市内で会見を行い、記者団の質問に答えた。会見には石関たかし衆議院議員が同席し、司会進行を務めた。
はじめに、同日昼に前橋市内で開催された地元農業7団体代表との農政懇談会での所感について、「このような試みは初めてではないか」との声が先方から上がったと紹介、民主党の戸別所得補償制度の考えをしっかり伝え、一定の理解を得られたとして、「民主党の農政に関する基本的な方針は間違ってないと実感した」と手ごたえを示した。
これまで歴代総理大臣を何人も誕生させてきた群馬県については、「保守基盤の大変強い地域」との認識を明示。自民党が圧倒的に強い選挙区ではあるが、それだけに、若い候補者を擁立し、国民の皆さんが抱いている、自民党の体質、今のような日本を作ってきた閣僚に対して鬱積している不平・不満を受け止める必要性を強調。政治を変えるためにはその体質を改めなければならないことから、自民党の役職や官僚に就いていることが必ずしも有利とは限らないとの見方を示し、民主党への支持の結集を図ることが必要であると同時に、保守基盤の方々に協力を求められるような選挙を行っていくことが重要であるとした。
八ツ場ダムへの反対を表明しているにも関わらず、社民党との選挙協力のためにその建設現場である5区で候補者擁立を見送ったことについては、それにより反対表明への熱意が冷めるわけではないとの見解を示し、「5つのマニフェストの中でも反対を謳っていく方針」を明示。地元の皆さんの気持ちを尊重しながら、今後もしっかり活動していく予定であると語った。
続いて、麻生首相が補正予算案およびその関連法案に関して、党首会談での小沢代表の発言を都合よく解釈し、審議に応じるよう要求、抵抗した場合に民主党批判を強めるのではないかとの問いかけには、「補正予算案を上げることが最大の仕事」としたうえで、小沢代表の発言は、今国会での第2次補正予算案の提出を前提としたものであると説明。再三にわたって訴えてきたにも係わらず提出を見送っておきながら、協力を求めることに対して「何を考えているんだ」と怒りをあらわにした。
そのうえで、補正予算案については「まだ対応を決めているわけではない」と述べ、その中には国民からも不支持を突きつけられている定額給付金も含まれていると指摘。昨日12日に発表された新たな雇用対策などを盛り込んだ23兆円規模の「生活防衛のための緊急対策」についても、財源が明らかになっておらず、これでは「絵に描いた餅」であり、年末年始の厳しい雇用情勢に向けては何の対策になっていないとして、それよりも民主党をはじめ野党が提案する雇用対策法案に理解を示すことが筋ではないかと話した。
また、麻生首相が3年後の消費税引き上げを明言したことについても、「世界経済が金融危機の中、何故、消費税の増税を謳う必要があったのか」と疑問を呈し、国民の皆さんの政治への信頼を取り戻すことが先決であると主張。国民のための景気対策も、天下りにも税金のムダ遣いにも何らメスも入れぬままに消費税の増税だけを求めるのは筋違いだと批判した。国民の皆さんの信頼が回復されたうえで、どうしても財源が足りないという状況になった場合には必要に応じて増税論議もしていくべきだとの考えを明かした。
最後に、通常国会に向けた常任委員長ならび『次の内閣』の人事に関して問われると、委員長人事を先に議論したうえで『次の内閣』の人事に関しても議論するとの考えを示し、「変更を余儀なくされることはあると思う」と述べ、どこまで根本的に変えていくことに関しては、代表の思いを反映し、選挙の時期をにらみながら選んでいくとした。
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