政治活動途中で事務所に立ち寄った、たなか総支部長としっかり握手。その後、総支部長に見送られて代表は事務所を後にした
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小沢一郎代表は14日午後、石川県を訪れ、同県第2区のたなか美絵子総支部長の事務所を激励後、記者団の質問に答えた。
石川県下および森元首相の地元を訪れての感想を求められた小沢代表は、「石川県1、2、3区とも大変きびしい選挙戦になるだろう」と前置き。そのうえで、「ただ、いわゆる国民生活を無視した、弱者切り捨て、地方切り捨ての自民党政治への批判というのは、全国どこへ行っても非常に強いものがある」と指摘。「この2区においてもまさに自民党のそういう政治を担ってきた人(森元首相)との選挙になるわけだ」とも分析したうえで、「しかし私は政治を変えよう、自民党政治を変えよう、国民のための政治を実現しようという市民・県民の皆さんの支持は必ず高くなると考えている」と語った。
「来年度の当初予算を5月までは成立させたい、それまでは解散はない」とした金沢市内の会合での森元首相の発言をどう見るかとの問いには、「政府・与党は解散したくないということだろうと思う」と小沢代表は述べ、今国会も9月に召集され、麻生首相自身も選挙しようと思っていたが「選挙よりも政治だ」「経済の方が大事だ」「政治空白をつくってはいけない」ということで選挙を先延ばしてきたと改めて指摘。そのうえで、しかし結局は、この3カ月、何ら有効な景気対策・経済対策が打ち出せないまま、政府・自民党自身が大きな政治空白をつくってしまったとの見方を示した。
そうした状況をふまえて小沢代表は、「だから私は、本当に思い切った政策を実行するには、選挙の洗礼、主権者の支持を得た政権でなければ思い切った政策はできない。従って、早く総選挙を実施すべきだと強く言ってきた」と改めて強調。現在のような政治空白をつくらずに早々に解散・総選挙を行っていれば、すでに結果が出ていたと思うとも述べ、「そうすれば、どちらであれ、国民の支持を得た政権が、思い切って政策を実行するということができただろうと思う」と語った。結局、麻生内閣が何もしないままに来年の国会でというような話になっているとも分析し、「本当にこのままでは毎日毎日職を奪われている人、失業者はどんどん増えている。倒産もどんどん増えている。この年をどうやって越そうかという人がいっぱい出てきている」と憂慮し、こうした状況下にあっては「自民党の都合で総選挙を延ばすというようなことは、たぶんできなくなる」と断じた。
「世論調査でもこんなもたもたして何もしないのだったら、早く総選挙をして、そして強力な政治体制を作ってくれというのが国民の意見だと思う。この国民の声はさらに大きくなっていくと思うので、総選挙を年明け、いずれ近いうちにやらざるを得ないと思っている。国民の声に抗しきれないと思う」と続けて語った。
一昨日に発表された23兆円の緊急経済対策への評価については「23兆円というお金の金額だけは膨らましているが」としたうえで、「実際にいま解雇されている人たちが雇用を保障できるのか、この年の瀬で資金繰りで困っている中小・零細企業の人を助けることができるのか、私はあの麻生総理の言った中身では到底、今日の状況を救うことはできないと思う」と述べた。
また、会見で麻生首相が小沢代表が党首討論で審議に協力すると約束してくれたと話していたことについては、「審議にはいつでも協力する」と発言。「ただ、要は中身の問題で、国民の今日の急激な不景気、不況、そして生活苦の雇用の問題、会社の経営、そういったことに自民党政権が果たして応えることができるかというと、私はあのようなものでは到底、国民の生活を安定させることができないと思う」ときびしい口調で苦言を呈した。
週明け以降の民主党の対応を問われたのに対しては、「週明けというより、出てくるのは来年のことでしょう」と確認したうえで、「スピードが大事だと9月末から言っていてこの3カ月間いったい何をしてきたのだろうか。来年でいいのであれば、総選挙をやって、国民の審判を仰いでいればとうの昔に終わっていたではないか」と重ねて批判。「本当の国民生活の実態、毎日、毎日大勢の人が職を失っている、資金繰りに苦しんでいる実態をまったく知らないのではないか。感じ取ることができないのではないか。私は、麻生総理の言動、姿勢を見ているとそういうふうに感じる」と断じた。
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