藤本祐司議員は15日午前の参議院決算委員会で、会計検査院の検査報告の指摘事項や、自治体の国庫補助事業の事務費不正経理問題などについて質問した。
藤本議員は冒頭、平成19年度決算検査報告における指摘事項の合計金額が1200億円を超えたことへの見解を質し、麻生首相は、政府一丸となって対応に取り組むよう各大臣に厳命したと述べた。藤本議員は、同報告に初めて記載された「過去の是正指摘事項」において、昭和21年度から平成18年度までの未済金合計が1億円以上ある省庁を指摘。厚生労働省、財務省、法務省について、各大臣に回収の状況の報告を求め、債権回収や会計処理の方法の見直しについて答弁を求めた。首相は、財務省と会計検査院につめさせると答えた。
藤本議員は続いて「国庫補助事業に係る事務費等の不正経理の仕組み」という表を示し、12の道府県で、補助金を「預け金」「差替え」としてプールするなどして、別に支出していた事例を取り上げた。鳩山総務大臣は「こういう事業のため使ってくれと国が渡した金がゴルフボールに化けているとすれば、刑事事件に近い気がする」と述べ、交付決定をできるだけ早くするなど、使い勝手の悪い面を研究改善しなければならないとした。
藤本議員は補助金の問題については、財務省としても全体像の把握はしておくべきだと指摘、補助金等適正化連絡会議を開く意味があるかも疑問だとした。「制度の問題、法律の問題、意識の問題を総合的に考えていかなければならない」として、「がんじがらめのひも付き補助金」を批判、一括交付金にして首長に責任をもたせ、工夫をして効率的にやってもらうべきだと語った。
藤本議員はまた、会見で景気対策を打ち出しながら口だけに終わり、2次補正を来年に先送りする首相の態度を指摘。具体的に法案を提出した民主党との大きな違いだとした。首相は、補正予算と本予算について党首討論で小沢代表が、審議に協力・参加して結論を早く出すという言葉に期待しているとした。藤本議員は「緊急の意味をよく理解して出していただきたい」として質問を終えた。
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