党税制調査会は18日午後、党本部で総会を行い、昨年の12月に取りまとめた「民主党税制改革大綱」を踏まえた形で、その税制を決めるプロセスを取りまとめた「民主党税制抜本改革アクションプログラム(案)」を発表した。
冒頭、藤井裕久税制調査会長が挨拶に立ち、今回発表する「民主党税制抜本改革アクションプログラム(案)」について、昨年12月に取りまとめた「民主党税制改革大綱」に税制の政策決定のプロセスが新たに盛り込まれたことを説明。さらに、藤井会長は、自民党税調に対して、「自民党税調の言う通りに政府税調はフォローしているだけ」と切り捨て、与党税調と政府税調の権力の二重構造を批判。与党税調を廃止して、「政府の中に、新たに政治主導の税調をつくるべき」との考えを表した。
次に藤井会長は所得税に関して、「現行の所得控除制度は、結果として高所得者に有利な制度」と指摘し、給付付き税額控除の導入を進めることで、低所得者に対する生活支援に繋がるとの見地から同案に改革指針として盛り込むことを明らかにして、挨拶を締め括った。
続いて古川元久税調副会長が同案に新たに盛り込まれた項目について説明を行った。
はじめに、古川副会長は、民主党政権が目指す税制抜本改革のビジョンとして、納税者の立場で、「公平・透明・納得」の改革プロセスを築くと提唱。あくまでも政治主導の政策決定を行い、国民が信頼し納得する税制を作り上げると基本方針を述べた。
その上で、古川副会長は、各税目における改革指針として、租税特別措置法の抜本的な見直しとして、次期通常国会に、「租税特別措置透明化法案」を提出、租特の整理・合理化を進めること、消費税は社会保障以外に充てないことを明確にし、税率の引き上げについては、税金のムダ遣いを徹底的に根絶した上で、改めて検討すること、酒税・たばこ税は国民の健康確保を目的とする税に抜本的に改めるなどを説明。
そして、喫緊の課題として、平成21年度税制改正について古川副会長は、内需主導型経済への転換として、(1)道路特定財源の一般財源化と暫定税率を廃止し、減税する。(2)年金課税について、「公的年金控除」「老年者控除」を平成16年改正以前に戻す。(3)住宅ローン減税は、バリアフリー化や省エネなどの社会ニーズの高い分野に対して負担軽減策を講じる――などを掲げ、さらに中小企業支援として、中小企業に係る軽減税率を、当分の間、現行の22%から11%に引き下げるなど、現下の経済状況に対応すべきとの観点から、これらの改正に重点的に取り組んでいくことを確認した。
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