菅直人代表代行は19日夕、東京都大田区のJR蒲田駅西口で、藤田のりひこ・東京都第4区総支部長と街頭演説を行い、危機の中から新しい日本を作ろうと党への支持を訴えた。
藤田総支部長は「この1年間で、どれだけ経済が、そして世の中が様変わりしてきたかを思い返してほしい」と訴え、「このように先の見えない不況は初めてだ」「資金繰り以前に、売り上げそのものが上がってこない」などという経営者の声を、中小企業と町工場約4800が密集し約3万8千人が働く区内を歩くなかで聞いてきたと語った。
藤田総支部長は「民主党は雇用問題について極めて深刻に、そして真摯に受け止めている」と表明。危機意識を持った対応が必要だとして、緊急雇用対策関連4法案の内容を説明した。また、法律や制度を作って生活と暮らしを守り、将来の日本のビジョンを示すことが政治家の役割であるとして、羽田空港の国際化や中小企業支援を通じて大田区、そして日本を元気にする政策立案に取り組む決意を語った。
菅代表代行は、非正規雇用者の深刻な住居問題や、失業者増大が間違いない状況であることを挙げて、まず緊急に雇用対策が必要だと主張。首相が国会に出すなら賛成しようと思ったが、いっさい2次補正の案が出されないために、民主党は野党3党と緊急雇用対策関連4法案を共同提出したと説明した。
「内閣しか出せない補正予算を出さないということは、日本中誰も出せないことになる。つまり(麻生首相は雇用対策を)妨害している」と指摘し、緊急雇用対策関連4法案は、法律で今あるお金を使うという内容だとした。そのうえで、法案を衆議院で反対し廃案とし、通常国会では定額給付金の2兆円も含まれる2次補正予算案を出すという与党の姿勢を厳しく批判。
法律上は所得制限が設けられていないことにも触れ、「2兆円あれば緊急雇用対策は相当のレベルの規模で実行できる。定額給付金を止めて、お金を積み増してでも、雇用問題、中小企業融資に振り向ければよい」と主張した。臨時国会のぎりぎりまで雇用対策関連4法案の成立に向けて取り組み、次の通常国会でも、定額給付金は後に回し、雇用対策を優先するよう求めていく考えを示した。
菅代表代行はまた、日本は大きい可能性を持った国であるとして、土地バブルや金融バブルに踊らされずに「ものづくり」を基本にして技術力を高め、不況から立ち直るきっかけにしたいと表明。「厳しい中から、次の時代を見通した新しい分野の開発を行っていこう」と呼びかけ、グリーンニューディール政策や新エネルギー技術開発など、夢を持った新しい日本社会に変えるために、政治のリーダーシップを民主党に任せてほしいと語った。
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