24日午後の参議院本会議で「参議院の審議権尊重に関する決議案」が議題となり、民主党・新緑風会・国民新・日本の大石正光議員が、発議者を代表して趣旨を説明した。
大石議員は、百年に一度といわれる未曾有の経済危機に対し、参議院は、国民生活を守るために、雇用対策などの議員立法が可決し、立法府の一員としての意思を国民に示したと指摘。
そのうえで、政府・与党が議決の重みを一顧だにせず、衆議院でこれらの法案を否決したことからは、迅速で効果的な雇用対策を本気で実施しようとする誠意が全く見られないと批判した。
大石議員は「政府・与党の参議院軽視の姿勢はこの一例にとどまらない」として、第21回参議院通常選挙以後、参議院で与党・野党の勢力が入れ替わってから、直近の民意である参議院を無視した再議決が9件にのぼること、その一件たりとも両院協議会が求められず直ちに再議決により成立が図られたことに言及した。
大石議員は「本院は、政府・与党が参議院の審議権を尊重して、二院制度を認めた憲法の精神を没却することのないよう、また直近の国政選挙により示された国民の意思を十分尊重するよう要請する」として、参議院の意思を否定し、直近の民意へ挑戦する政府・与党の対応について、国権の最高機関、立法府・参議院が、国民に強い意志を示さなくてはならないという考えを示した。
採決の結果、決議案は全会一致で可決された。
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