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2006/05/25
【参院行革特】直嶋議員、事業仕分け形態と随意契約の見直し指摘
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参議院行政改革に関する特別委員会が25日開かれ、民主党・新緑風会の直嶋正行議員が質問に立ち、小泉首相はじめ関係大臣に対し、社会保険庁の不正納付免除問題、事業仕分けの重要性と進め方、随意契約、天下りなどの問題を取り上げ、議論した。
 
 直嶋議員は冒頭、全国各地の社会保険事務所で、国民年金保険料の納付を不正に免除・猶予していた問題を取り上げた。「法律を無視したこうした行為は言語道断。これまでもさまざまな不祥事があり、解体的出直しを行い、これまでとは異なる社会保険庁を目指していたのではなかったか」と述べたうえで、年金保険料の納付率アップを目指すあまり、納付そのものがない形に不正操作しようとした社会保険庁の姿勢を批判。「できの悪い商品は売りにくい」といった声もあるように、国民年金制度そのものの根本的改革を行わないまま改善を求めようとすること事態にもそもそも誤りがあるのではないかとの見方を示し、小泉首相に年金制度そのものの抜本的な見直しの必要性を改めて指摘した。
 
 同時にこうした不正によって、免除・猶予対象者とされた人は将来の年金受給額が減少する事態となりかねないことにも直嶋議員は言及。それによって生活保護世帯の増加に繋がりかねないとの認識も示したうえで、「各党でつっぱりあっている場合ではない」と厳しい口調で述べ、年金制度見直しへの小泉首相の強いリーダーシップを改めて求めた。

 続いて、国と地方の役割分担を見直す行財政改革の出発点ともいえる事業仕分けの問題を取り上げ、民間政策研究機関「構想日本」が15自治体で実施した事業仕分けを示し、その結果、本当に市町村がやらなければならない事業は7割、都道府県の場合は6割という結果が出ていることを説明した。事業仕分けを通じて、本当に役所がやる仕事を絞りこむことで、予算削減にも繋がることを改めて指摘し、事業仕分けを断行する意志はあるかを直嶋議員は質した。それに対して首相は「事業仕分けをしていくべきだ」と前向きに答弁したが、実際には今回の法案にはその事業仕分けを、誰がどのようにやるのか全く書かれていない点を直嶋議員は重ねて指摘。同時に実効性ある事業仕分けの進め方として、「事業の名称ではなく具体的な内容で事業を順次チェックしていくこと」「透明性を確保するためにオープンに公開の場で行うこと」「担当するのは該当する省庁関係者ではなく、他省庁や他の団体が行うべきであること」などを提示した。しかし、そうした直嶋議員の提案に対しても中馬担当相は「それぞれの役所に頼んで仕分けを行っている」などとする答弁を繰り返し、事業仕分けの根本認識の誤りを露呈しただけだった。「今のやり方では効果がでないと思う」と直嶋議員はきびしい口調で指摘し、実効性重視で見直すよう求めた。

 随意契約の問題については、公益法人発注分の約8割は随意契約であるのが実態であり、そのルールも形骸化されている状況を直嶋議員は問題視した。この状況をどうみるか質したのに対して首相は「原則、競争入札にすべきと指示を出している」などと無責任な答弁。こうした答弁を受けて直嶋議員は、ルール化の必要性を強調。22日に民主党が参議院に提出した「国が行う契約の過程及び内容の透明性の確保等による契約事務の適正化を図るための会計法の一部を改正する法律案」(通称:随意契約等透明化法案)で規定したように、「契約内容・随意契約にした理由・天下りOBがいる場合はその人数等に関する徹底的な情報公開の義務付け」「会計法第29条の12により長期継続契約が認められている役務から情報処理システムの開発及び運用を明示的に除外する電話代名目のIT調達の禁止」「随意契約及び指名入札の基準の厳格化や契約実務の適正化に必要な措置を講ずると法律上明記することによる国の責務を規定」等に関して、政府としても随意契約の見直しにむけ改めていくよう注文をつけた。
 
 また、随意契約等透明化法案と同時に22日に提出した「国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化のための国家公務員法等の一部を改正する法律案」(通称:天下り規制法案)等に基づき、天下りの背景にある早期退職勧奨を原則禁止するとともに、「行政機関の職員等は5年間は関係非営利公法人への天下り禁止」し、「さらに非営利公法人からの関係営利企業への就職(迂回天下り)も5年間禁止」すべきと直嶋議員は問題提起したが、安倍官房長官も小泉首相も明言を避けた。

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