菅直人代表代行は8日夜、党本部で記者会見を行い、定額給付金をめぐる政府・与党の強硬姿勢を批判した。
冒頭、菅代表代行は同日の衆議院予算委員会で質問に立った印象として、「麻生首相のそれぞれのテーマに対する答弁は物事を理解して答えているのか、と疑問を感じる場面が数多くあった」と述べ、雇用問題をはじめ現状認識を理解したうえでの発言・行動かどうか、問題視したとした。
そのうえで、製造業への派遣見直し、セーフティネットの構築については舛添厚生労働大臣とは有意義な議論ができたのではないかとの手ごたえを示すとともに、派遣見直しについては麻生首相からも前向きな姿勢が見られたとの所感を述べた。
定額給付金をめぐっては、麻生首相が受取るかどうかについて「個人の問題」と発言したことに言及し、国が予算を組み、政策目的をもって給付するものであり、その答弁自体が国民に自信を持って説明できない制度であることを示していると指摘した。
菅代表代行は、第2次補正予算案を成立させるには関連法の成立が必要であるとして、与党が定額給付金を切り離さず強引に推し進めた場合には予算の早期成立は見込めないことは明白であり、予算措置が遅れた場合は政府・与党に責任があるとけん制した。
また、答弁書の閣議決定問題に関し、憲法20条に関する集中審議を求めたと述べ、今後理事会において継続的な課題として取り組んで行くとした。
第2次補正予算案が13日に採決される見込みであることについて菅代表代行は、与党側が委員長裁定で一方的に決めたことであり民主党としては了解していないと強調、雇用の集中審議としてさらに3日間の審議が必要であると求めていく姿勢に変わりはないとした。
続いて、記者団から自民党の渡辺元行政改革担当大臣が第2次補正予算案への反対を表明したことについて所感を問われると、「予算案は首班指名についで重要な案件であり、その影響力は大きい」と指摘。そのうえで、他の議員への波及の可能性については、「解散が近いと思えば行動に踏み切ることができるが解散時期が見えない今の段階では内々には思いがあっても行動に慎重になるのは理解できるとして、さらなる造反議員が現れないことと定額給付金の是非とは別との認識を示した。
これに関連し、麻生首相が同日の予算委員会で、渡辺元行革担当相からの提言書を「読んでいない」と発言したことについては、所属国会議員からの提言書であれば意見の相違は別として読むべきであると主張。「読んでいない」といって逃げることは自民党総裁としての資質も欠落、卑怯な対応であると断じた。
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