13日午前の衆議院予算委員会で2次補正予算の締めくくり質疑が行われ、馬淵澄夫議員は、天下り推進政令の問題を取り上げた。
馬淵議員は冒頭、先週の予算委員会で仙谷由人、枝野幸男両議員が追及した官僚の天下りの「わたり」(2回以上の天下り)の問題の経緯について、(1)平成19年の国家公務員法改正で、官民人材交流センターが官僚の天下りあっせんを行うことになり、センター設置と同時に天下りの際の監視を行う再就職等監視委員会も設置されたこと、(2)センターが稼動するまで最長3年を限度として、監視委員会が承認すれば、府省はこれまでどおりあっせんができる仕組みになったこと、(3)監視委員会の人事は国会同意人事であり、これが不同意となったため、委員が不在であること、(4)このままでは府省による再就職あっせんの承認ができなくなることから、政府は監視委員会を内閣総理大臣と読みかえる政令を閣議決定したこと――と改めて説明した。
馬淵議員はまた、再就職等監視委員会について、各府省から独立した監視機関で、職務遂行上高い公平性中立性が求められることを河村官房長官に確認。国会同意人事制度についても衆議院事務局の答弁を求めたうえ、任命権が行政府に集中する傾向に対して、公務員の選定権という実質を失わせないため、中立性を求められる機関については国会が同意を与えるという仕組みになっていると見解を述べた。
馬淵議員は、国会は昨年二度にわたり、監視委員会の人事に不同意を示したことに言及。「国会の意思を政府は政令によって覆そうとしている。行政まさに役人が、国会の意思を変えようとしている」と質した。麻生首相は、政令の条項について「異例な事態を受けて、委員長が任命されるまでの間の経過処置として、実効性を確保するために設けざるを得なかった」などと答えた。河村官房長官は、法が定めた仕組みに反対という理由での不同意は想定外であったために暫定的な措置を取らざるを得ないとした。
「国会の意思であることは想定のなかに当然範疇として置かれなければおかしい」と馬淵議員は指摘。民主党議員が昨年3月から再三再四、国会の意思で不同意となる可能性を挙げて、改正公務員法の規定で天下りを禁止できるのか確認してきたにもかかわらず、対応をしてこなかったこと、最終的に12月末、経過措置期間の政令の委任規定にもぐりこませたことについて「全く取り合わずに行政の言いなりになってきた。使いこなすどころか操り人形になっている。国会の権能を無視されていることをまったく構わないとお考えか」と厳しく批判した。
さらに8日の予算委員会で宮崎内閣法制局長官が、国会で同意人事が議決されなかったことを外的障害と表現したことを取り上げ、国権の最高機関の決定をそのように考えることが適切かを議論した。長官は「努力を尽くしても委員の任命ができないこと」を表現したと語り、撤回する考えを示した。
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