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2009/01/18
【定期党大会】小沢一郎代表挨拶
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 小沢一郎代表は18日午後、2009年度定期大会で挨拶に立ち、「ついに今年、『その時』を迎えた。衆議院総選挙に勝利して、私たちが自ら新しい政権をつくり、『国民の生活が第一。』の理念に基づいて、国民の『新しい生活』を築くのだ。もはや、一刻の猶予もならない」と訴えた。

 「私たち民主党は、最後の最後まで国民とともに歩み、そのご支持により『国民の命と暮らしを守る新しい政権』を樹立することを、国民の皆様にお約束するとともに、皆様にここで主権者としての『最終判断』を下してくださるよう重ねてお願い申し上げる」として挨拶を締めくくった。

 要旨は下記の通り。
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民主党二〇〇九年度定期大会
小沢一郎代表挨拶

 まず、本日の民主党大会にご参集、ご来場いただきました皆様に、心より感謝を申し上げます。
 なかでも、友党として連帯のお言葉を頂戴しました社会民主党の福島党首、国民新党の綿貫代表、新党日本の田中代表、そしてお励ましをいただきました連合の岡部会長代行、経団連の大橋政治対策委員長に厚く御礼を申し上げます。
 また、お忙しい中、ご列席いただきました、在日公館の皆様、労働界、経済界、文化諸団体など友好団体の皆様に感謝申し上げます。

 さて、同志の皆さん、ついに今年、「その時」を迎えました。衆議院総選挙に勝利して、私たちが自ら新しい政権をつくり、「国民の生活が第一。」の理念に基づいて、国民の「新しい生活」を築くのであります。もはや、一刻の猶予もなりません。
政治の役割は究極的に、国民の命と暮らしを守ること、その一点に尽きます。その責任と使命を忘れ、権力行使の目的さえも見失った政権は、一刻も早く、ただ消え去るのみ、であります。自公政権が一日長く続けば、それだけ国民生活の被害は大きくなっていきます。それは、世界的な金融危機、同時不況のさなか、麻生内閣が国民に信を問うことも、効果的な景気対策を実行することもなく、三ヵ月間も政治空白を続けたことを見れば明らかであります。
 私たちの手で、この国の仕組みを根本的に変え、「新しい生活」、新しい日本をつくり始める時であります。それ以外に、国民生活を、日本を救う方法はないからであります。
 そして、私たちがそれを決意しさえすれば、必ず仕組みをつくり変えることができます。日本の国民には、その能力が十分にあります。いわゆる「派遣切り」が進む一方で、介護を担う職員が決定的に不足していますが、それらを是正して人材を活かしきるのが政治の力であります。そのようにして、国民が力を合わせ、新しい国づくりに挑む時なのであります。

 私たち民主党の実現目標は、明確であります。
 第一に、「国民の、国民による、国民のための政治」を実現する。単純な言い方ではありますが、それが民主主義の原点であります。その当たり前のことが、日本では行われてきませんでした。それこそが、今日、政治、経済、社会の混迷を招いた最大の原因であります。何としても、二大政党制の下で初めて、政権交代を実現し、日本に議会制民主主義を定着させなければなりません。
 その上で、「人間の、人間による、人間のための経済」を実現する。現在の金融危機の根本原因は、自由というものを無原則な勝手気ままと履き違えて、「資本の、資本による、資本のための市場経済」を極限まで推し進めた金融資本主義の破綻にあります。それを、公正なルールに基づく、本来の自由経済に是正し、国民生活のセーフティネットを前提にした仕組みにつくり変えなければなりません。それによって初めて、「人間を大事にする経済」を回復することができると考えます。
 そして、「住民の、住民による、住民のための社会」を実現する。それは真面目に働く人が報われる社会であり、年金、医療、子育て、雇用、地域が立て直され、住民が安定した暮らしのできる社会であります。もちろん、真の地方分権を確立することがその前提条件であります。

 実は、経済危機の今こそ、日本の大転換を成し遂げるチャンスである、と私は思います。国の総予算二百数十兆円を全面的に組み替え、税金のムダづかいを徹底的になくして、その浮かせた財源を国民生活の立て直しに集中的に使う。生活の不安をなくすことが希望を生み、積極的になった心が、この国全体を押し上げていくのであります。そのような仕組みの転換は、国民の多くが危機を認識している今だからこそ、国民の理解と協力の下に実現できるのだと考えます。
 私たちはすでに昨年秋、総選挙に向けて、ムダづかいの根絶、年金・医療の改革、子育てへの支援、雇用制度の改革、農林漁業と中小企業の再生という「新しい生活をつくる五つの約束」を決定、発表しております。その五つを実行することにより、国民は元気を取り戻し、生活を立て直すことができると確信しております。
 ただ、麻生内閣の無為無策の結果、雇用危機をはじめとする経済の悪化が急速に進んだため、当面の景気対策を早急に実施し、総需要を維持して、雇用を確保していかなくてはなりません。しかしそれは、自公政権が総選挙目当てに強行している総額二兆円の定額給付金のような、ただのバラマキ、税金のムダづかいであってはなりません。

 あくまでも、私たちの目指す将来の「人間のための経済」「住民のための社会」を実現できるものでなければなりません。私は、その中心となる総需要維持政策は「環境のニューディール」と「安全・安心のニューディール」の二つであると考えます。
 「環境のニューディール」は、戸別所得補償制度をはじめとする農林漁業の活性化策に加え、ソーラー(太陽光)パネルの徹底普及を中核に据えます。まず、新築の戸建て住宅を対象に設置費の半額を補助し、最終的には住宅、公共施設、オフィスビルなど、全ての建物にパネルを設置したいと考えます。また、全ての建物の屋上と外壁の緑化も強力に推進していかなければなりません。
 「安全・安心のニューディール」の中心政策は、小中学校の校舎を全て耐震化することであります。特に、大規模地震によって倒壊の危険性が高いとされている約一万棟は、ただちに耐震化を実施します。病院の耐震化と、介護職員の待遇改善および大幅増員も、同様に進めていかなければなりません。
 この二つのニューディールの眼目は、いずれも一つひとつは小規模事業であることから、それぞれの地域で雇用を創出できる、いわば「地域密着型の雇用創出策」であることであります。さらには、高速道路のネットワークの早期完成など、必要なインフラの整備も進めていかなければなりません。これらの政策をさらに練り上げて、総選挙のマニフェストを完成させたいと思います。

 政権交代を実現して、新しい政権を担おうとする私たちが、いま最も求められているものは、国民の中に入り、その苦しみや悩みを共有し、国民とともに歩んでいく姿勢を、最後まで貫いていくことであります。「国民は家族である」という思いを忘れてはなりません。国民の苦しみや悩みに対する想像力さえ失ってしまい、政権の獲得・維持そのものが目的化すると、自公政権と大差のないものになってしまいます。
 そして、「国民は家族である」との思いに基づいて、私たちの掲げる「国民の生活が第一。」の理念と政策を、国民の生活現場で地道に訴えていかなくてはなりません。そうすれば、私たちは必ず、国民の皆さんからご支持いただけると信じております。

 一方、国民の皆さんにも、おやりいただかなくてはならないことがあります。自分自身が主権者であり、最終的な権力を握っているのだということをぜひ自覚し、ここでその主権を必ず行使していただきたいのであります。総選挙で一票を投じ、主権者としての意思を表明する。それによって、現在の自公政権を続けるのか、それとも民主党を中心とする新しい政権をつくるのかを、選択していただかなければなりません。
 政権は、国民自身が選ぶものであります。政府は、国民自身がつくるものであります。国民を超えた「お上」がつくってくれるものではありません。国民が自分で決め、自分でつくるという能動的な姿勢が、民主主義の必要条件であり、日本国憲法の定める主権者の在り方なのであります。
 もし、国民の皆さんが今の自公政権に満足できないのであれば、今度の総選挙ではぜひ、私たち民主党に一票を投じてください。そして、もし、私たち民主党が政権を担っても、国民との約束を守らなかったり、国民の期待に応えられなかった場合は、直ちにその次の総選挙で私たちを政権の座から下ろしてください。議会制民主主義における主権者の責務とは、そういうものであると思います。

 私たち民主党は、最後の最後まで国民とともに歩み、そのご支持により「国民の命と暮らしを守る新しい政権」を樹立することを、国民の皆様にお約束するとともに、皆様にここで主権者としての「最終判断」を下してくださるよう重ねてお願い申し上げ、私の挨拶と致します。

以上

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