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2006/05/09
【衆院本会議】村井議員、容器リサイクル法、負担割合見直し提言
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 「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律案」を議題に衆議院本会議が9日開かれ、民主党・無所属クラブの村井宗明議員が質問に立ち、小池環境相らに法案の最大の争点でもある費用負担の問題等について質した。
 
 まず、リサイクル費用の負担割合について質問。生産者、消費者、市町村の費用負担の割合が、日本ではリサイクル費用の7〜8割を占める収集、運搬、分別、保管費用を市町村が負担し、その負担額は3000億円であるのに対し、事業者負担額は400億円である点を明らかにし、「諸外国に比べて、市町村の負担割合が高く、事業者の負担が軽いのが最大の特徴だ」と分析した。同時に、今回の改正で生産者が市町村にわずかな資金を拠出する仕組みが創設されたものの、トータルで見れば消費者と市町村の損を増やすものとなっている点を問題視し、民主党では、市町村と市民にだけに偏った費用負担を生産者にもバランスよく割り当てる「拡大生産者責任」をマニフェストに掲げているとしたうえで、負担割合を変える考えはあるか質した。それに対して、小池環境相は「事業者から市町村に対して資金を拠出する制度を創設することとしている」と述べ、それのみで市町村の負担軽減に繋がると強弁した。
 
 村井議員はまた、この法案のキーワードは「拡大生産者責任」だとも指摘。使用後の製品回収や再資源化の費用の一部を、製品コストとして生産者にも負担してもらう「拡大生産者責任」が徹底されれば、生産者は製品価格に加わったリサイクルコスト削減のため、リサイクルしやすい製品の開発や普及につとめ、そのことがごみ減量や再資源化の推進に繋がっていくとの見方を示した。そうした視点に立って村井議員は、関係大臣に「拡大生産者責任」を徹底し、実効性を持たせた「ホンモノの改革」を行うよう強く求めた。
 
 合わせて、使い捨て容器そのものの生産量の減量の重要性を村井議員は指摘。そもそも容器包装リサイクル法の目的は、資源として再利用することによって、ゴミとして処分される容器包装廃棄量を減らす事であったはずが、10年前の法施行以降、回収量があがってはいるものの、使い捨て容器の生産量自体が増えているために、再利用されずに廃棄される量も増えているのが実態であることを指摘した。さらには、「どうせリサイクルするから作ってもいいだろう」という事で、廃棄物になりやすい小型PETボトルなども作られるようになってしまったと分析した。そのうえで村井議員は、「民主党は、環境にやさしいびんなどの再使用の容器を使う事が、使い捨て容器のリサイクルよりも重要と考えている」と述べ、そうした再使用の視点が法案に盛り込まれていない点を指摘し、「再使用よりもリサイクルを優先する制度的な欠陥があるのではないか」と言及。使い捨て容器の生産量の抑制そのものに前向きに取り組むよう、小池環境相に問題提起した。
 
 同時に、500mlのミネラルウオーター入りPETボトル等で国内メーカーと輸入物で厚さに歴然とした差があることを取り上げた村井議員は、実効性のある容器の減量に向けては、現行のように「メーカーの自主的取り組みにゆだねる」のではなく、政府主導で減量策に取り組むべきだと指摘。また、PETボトルの回収率を上げるため、ドイツ・スウェーデン等で大きな成果をあげているデポジット制度の導入を検討するよう、指摘した。

 また、循環型社会の形成を今後も期していくうえで不可欠な「発生抑制」「再使用」「リサイクル」のいわゆる「3R」の概念の重要性に村井議員は改めて言及した。ところが、今回の改正案では、なぜか「発生抑制」ではなく、「排出抑制」という用語に入れ替えられている点を村井議員は浮き彫りにし、二つの用語では相当意味合いが違い、「発生抑制」に含まれている「作り過ぎない」というニュアンスが、「排出抑制」にはなくなり、3Rの概念から大きく逸脱してしまうことを極めて問題視した。
 
 最後に村井議員は、「私たちは現在だけを見ていてはいけない。未来も見なければならない。政治家の使命は、現在だけでなく、未来への責任も果たすべきだ」との考えを表明。「子どもや孫の世代のために、さらなる未来のために循環型社会を創ることをお願いしたい」と法改正に臨む政府の姿勢に注文をつけるとともに、「ホンモノの改革を民主党こそが進める」とも宣言し、質問を締めくくった。

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