蓮舫議員は19日午後と20日午前の二日にわたり、参議院予算委員会で質問に立ち、予算をバラマキ対策に使わずに組み替えるよう訴えた。
19日の質疑の冒頭、業績の悪化から製造業でも生産を半減する動きが見られることを挙げ、仕事がどうなるかと国民の皆さんは大きな雇用不安を持っていると蓮舫議員は指摘した。また、昨年12月末に閣議決定された官僚の「わたり」を認める政令に言及。「官僚だけ、恵まれた再就職を役所があっせんする方向は止めていただきたい」として、麻生首相、甘利行政改革担当大臣と議論した。
蓮舫議員は政令を廃止する閣議決定を求めたが、首相は法律どおりに行っており、同意人事を認めて再就職等監視委員会が動くようにすべきだという見解を述べた。蓮舫議員は「政令で法律の条文を勝手に読み替える。あるいは政令で、これまで認められていなかった『わたり』まで堂々と認める。これは国会軽視だ」と問題意識を示した。
続いて、定額給付金と同様、国民の税金を使って政策効果が期待できるのかという疑問が持たれる例として「子育て応援特別手当」を取り上げ、小渕少子化対策担当大臣と議論した。
蓮舫議員は、3〜5歳の第2子以降の子ども一人につき毎月3000円を1年間だけ配るこの政策について、予算総額が651億円、対象が170万人であることを確認。「本当に平等性のある公平な税金の再分配として正しいか」と指摘し、年齢にあわせたきめ細かな支援こそ少子化対策だとして見直しを求めた。
民主党周産期医療再建ワーキングチームが取りまとめた報告書にも言及し、バラマキ対策に651億円を使うのであれば、安心して産める周産期医療体制の整備に予算を組み替えるべきだとした。小渕大臣は、総合的でバランスの良い少子化対策が一番大切だという認識を示し、首相は、今後きちんとした予算が組めるよう努力する必要があるとした。
蓮舫議員は、他の予算に組み替えようという提案や、定額給付金を見直そうという提案は審議に値しないと考えているのかと質したが、首相は、政党間の政策協議がまったく受け入れられなかった経緯があると答えるのみで、定額給付金については「それなりの効果がある」とした。
20日の質疑では、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会の西室会長が、定額給付金に反対する意見を出したことを取り上げ、参考人招致を要求。16日の財政審総会の議事録と議事要旨の開示も求めた。
また、多くの国民が定額給付金の効果に疑問を持っているのは、他方で消費税を2011年までに上げるという首相の発言が大きいと指摘、税制関連法案の附則に記載するか質した。麻生首相は「附則の中にそういった前提、道筋を書かせていただきたい」と答え、潜在成長率などを勘案して好転を判断するとした。
蓮舫議員は「増税をする方針は、国民に選挙で信を問うに値する。選挙をすることなく総理がその方針を決められるのか」と追及した。さらに、消費税の問題は経済情勢の見通しと大きく関わるため、経済と雇用の集中審議が必要であり、行革が前提というからには、天下りと行革の集中審議も行うべきだとした。
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