菅直人代表代行は22日午後、党本部で会見し、自らが本部長をつとめる党緊急雇用対策本部のこの間の活動を報告するとともに、消費税引き上げをめぐる自民党内の混乱、第2次補正予算案の採決をめぐる政府・与党の横暴な国会運営等に言及した。
「3月末の年度末を控えて雇用情勢がますます厳しさを増す中、雇用対策本部は精力的に活動を行っている」と述べた菅代表代行は、19日には派遣村実行委員会のメンバーと面談して本年3月までに着手すべき対策に関する緊急要望書を受取ったこと、20日には派遣会社・業界団体からのヒアリングを行ったこと、さらには同日、東京都内にある路上生活者緊急一時保護センターと自立支援センターを視察したことを報告した。
自立支援センターでの視察に関しては特に、そこに来た方々の8割が就職先が決まって自立して行く実態にふれ、「かなりの成果。そこにハローワークからも2人が派遣されていたし、まさに総合相談窓口という派遣村の方々の要請にかなり近い形で、就職活動と住居のお世話に対応している」と分析。派遣村実行委員会のメンバーからの要請にあった「シェルター内に設置する総合相談窓口」の参考になる形だとの見方を示した。また、社民党、国民新党とともに来週中の経団連への申し入れ実施に向け調整中であるとした。
09年度税制関連法案の附則に消費税の増税時期を「2011年度」と記載するかをめぐって自民党内が混乱し、最終的には引き上げる際は別途、法律を提出するとする「二段階方式」が自民党部会で了承された件についても取り上げた。
菅代表代行はまず「税金のムダ遣いを放置したまま、消費税の引上げを予め明記するなどというのは考え方の根本が間違っている」と改めて指摘し、それでもあえて麻生首相が2011年消費税率の引上げの明記に固執していたことに言及。そのうえで菅代表代行は、「詰まった中身を私なりに見ているが、2011年の消費税の引上げという中身にはなっていない」として、首相の従来の主張と「大きくぶれてしまっている」と分析した。
「ぶれていないと思っているのは麻生総理だけ。この重大の問題でもぶれてしまっていることが明らかになった」と重ねて指摘し、「こういう方に国のリーダーをこれ以上お任せすることはできないということを改めて強く感じた」と苦言を呈した。
続いて、第2次補正予算案をめぐる参議院審議に関する政府・与党の横暴な姿勢にもふれ、「その審議の途中でも本予算の審議に入ろうとしているのが見え隠れしている」と指摘。そのうえで菅代表代行は「基本的には第2次補正予算がはっきりしたなかで次の段階に進む。逆に言えば第2次補正予算がはっきりしない段階で、それに関連する部分の多い本予算の審議に入るのは自己矛盾である」と切り捨てた。
定額給付金の切り離しを求める野党修正案があることも改めて説明し、その国民的な賛否を参考人を招いてしっかりと議論すべきだとも指摘。また、野党修正案が可決した場合、衆参両院の意思の違いを踏まえ、両院協議会で議論し、最も望ましい成案をうるべきであると強調した。
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