民主党・新緑風会・国民新・日本の広田一議員は、参議院予算委員会の締めくくり総括質疑で、国債利払い費や高速道路の料金引き下げの問題について、麻生首相らの見解を質した。
冒頭、2011年度からの消費税の増税方針について質した広田議員は「これ以上、選挙権のない次の世代に、借金を付け回すことはできない」と指摘、社会保障の安定財源の確保という観点からも、増税は避けて通ることはできないとしたうえ、「巨額の借金を作り、財政運営に失敗した自民党に増税の資格はない」として、国民に審判を仰ぐことが重要だとした。
平成20年度補正予算案については、国債の利払い費が1兆円を超えて当初予算を下回る問題を取り上げた。広田議員は「国債の利払い費は、国債マーケットの長期金利で決まる。1兆円を超える不用額が生じたのは、政府の行政改革の努力とは何の関係もない。『規定経費の節減』と称して計上することは、日本語としておかしい」として、政府の表現では予算を節約して削減したという誤解を招くと指摘した。
広田議員は長期金利の積算の状況にも言及。平成20年度について内閣府が1・5%、財務省が2%、21年度について内閣府が1・1%、財務省が2%と積算し、政府の中に2つの想定数字があることを確認し、主要経済閣僚の長期金利に対する見方が180度異なることは摩訶不思議な話だとして、首相のリーダーシップで数字を調整するよう求めた。中川財務大臣は「わからない中で見積もっている。当たった・当たらない、内閣府と財務省が違うと言われても困る」として理解を求め、与謝野経済財政担当大臣は「マクロ計量モデルを用いて推計を行った結果、長期金利が算出される仕組みになっている」と説明した。
広田議員は「国債の利払い費は少ない数字ではない」と批判。「毎年1兆円を超える不用額が生じている。国債償還に充てるならまだしも、政府は1次補正の財源や国税収入の不足額に充てている。『隠し予備費』『ヤミ予備費』と言われえてもしようがない。あらかじめ多めに見積もり、年末につじつまを合わせ、補正予算の財源にするやり方は良くない」として、不用額が生じた時の使途について明確なルールを定めるよう求めた。中川財務相は「仰るようなことがあればそれはいけない。そういうことがあればしてはいけない」と応じた。
広田議員はこのほか、補正予算案に盛り込まれた高速道路料金の引き下げについて、利用者数の増加の見積り、他の輸送業への影響などを質問した。「百年に一度の危機を、全治3年を目指して取り組むというならば、当初と補正を合わせて約3兆円使って、この2〜3年間で何ができるのかという観点に立ち、もっと大胆な高速道路料金の引き下げを検討すべきでないか」と指摘した。
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