参議院本会議が26日午後開かれ、民主党・新緑風会・国民新・日本が提出した、2兆円の定額給付金を平成20年度第2次補正予算案から削除する修正案が民主党はじめ、社民、国民新の野党3党などの賛成多数で可決された。
採決に先立ち、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して郡司彰議員が討論に立ち、修正案に賛成、政府原案に反対の立場で発言した。
郡司議員は冒頭、政府原案は衆議院でわずか14時間の審議の末、委員会、本会議でそれぞれ採決を強行したことを問題視。そのうえで郡司議員は、政府原案にある「子育て応援特別手当」や「高速道路料金の定額化」などの政策は我々が考える内容とは大きく異なるが、景気悪化の現状を思えば、たとえ効果や手法に違いはあっても唯一「定額給付金」を除けば、与党との合意を目指すことは可能であったとふりかえった。
また、今回の危機と政治への不信がどのように醸成されたかについても、郡司議員は分析。一つは行き過ぎた経済至上主義による強者の論理を優先させたことであり、小泉内閣の劇場型政治に目をくらまされた結果、「国民の痛み」があまりにも大きく派生したことに加え、政権たらい回しを見せ付けられたことによると指摘した。
あわせて、地域の共同体や家庭内における絆の緩みが指摘されているとの見方も示し、「昨年から始まった後期高齢者医療制度はその事実を冷徹に再認識させた」と語り、弱者切捨ての自公政治を改めて批判した。
郡司議員はさらに、政府は定額給付金の目的について、内需を刺激し、景気回復につなげることになると主張しているが、世間はそうした評価を示されていないと指摘。2兆円の財源があれば、むしろ雇用対策や、社会保障、子どもたちの生命を守る学校施設の耐震化等に充てた方が、よほど生活防衛や安心実現に繋がると改めて問題提起した。
最後に、「定額給付金」の財源は埋蔵金、つまり特別会計の余剰金を充てるとされている点についても取り上げ、「国と地方の借金があわせて1000兆円もあるから、2兆円くらいはよいとする考え方に私たちは立たない」と述べ、「重ねて言います。今からでも『定額給付金』を撤回する協議を始めないか」と迫った。
また、第2次補正予算案を契機に、真摯にこの国のあり方を考えようではないかと呼びかけ、私たちは情熱を持ってこの国のしくみを根本的に創り変えていくと宣言。
「国民の、国民による、国民のための政治を実現するために」「人間の、人間による、人間のための経済を実現するために」「一日も早く、国民の『新しい生活』を築くために」と訴え、討論を締めくくった。
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