簗瀬進参院国会対策委員長は30日午後、国会内で定例会見を行い、同日午前に開かれた参院本会議での代表質問の所感を語った。
簗瀬国対委員長ははじめに、同日、平成20年度第2次補正関連法案の対案として「平成二十年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例及び同年度における生活・経済緊急対策の実施についての制限に関する法律案」を提出したと報告。いい加減な財源運営を行おうとする与党の体質が露呈しているとして、定額給付金の財源とされる埋蔵金が無尽蔵にあるわけではないとの認識のもと、縛りをかける必要があり、このタイミングでの提出に至ったと述べた。
そのうえで、財政金融、予算の両委員会とも主務大臣が財務大臣であるため、参院で財務委員会を開く際は、衆院予算委員会の審議日程と協議していく必要があると説明。法案の取扱いに関しては、全党的立場で検討したうえで進めていく考えを示した。
次に、同日の本会議での輿石東参院議員会長(代表代行)の代表質問の際、質問の中身も聞かずに大音量で質問が聞こえないほどの野次を飛ばしていた与党議員の態度を批判。「野党らしい姿になった」と皮肉り、「野次を飛ばすなら質問の中身を理解したうえで飛ばしてほしい」と苦言を呈した。
これに関連して簗瀬国対委員長は、自民党の尾辻議員の代表質問にも言及、小泉改革以来の自民党政治を真っ向から否定する内容だったとの所感を示した。自民党の参院議員会長という立場にある尾辻議員がこうした質問を行ったこと、また、その質問に与党席から大きな拍手が起こったことについて、「自民党は責任政党でありながら自己分裂状況にあることが明瞭に見えてきた」と指摘。新自由主義、市場原理主義を自民党に強いてきた経済・財政諮問会議を廃止すべきとの考えを示すなど、覚悟を決めて代表質問に臨んだ尾辻議員と、あくまでも官僚的なはぐらかしの答弁を繰り返した麻生首相の姿を「極めて奇異に感じた」と語った。
さらに、「総理、野に下ることは恥ずかしいことではありません。毅然としてお進みください」と下野の勧めともいえる発言を尾辻議員がしたことについて「大きな意味をもつ」と分析。民意が変わっているにもかかわらず、民意を問おうとしない麻生首相の姿勢に対し、「与党内でフラストレーションを示す内容だった」と語った。
「果敢で心情に訴えられるものを感じた」と評価したうえで、輿石会長が代表質問で求めたように、「解散・総選挙こそが最大の景気対策であり、一刻も早い解散・総選挙を行ってほしい」と求めた。
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