広中和歌子議員は2日午前、参院本会議で質問に立ち、政府4演説に関して、国際貢献、環境、教育、医療・福祉等について麻生首相をはじめ関係閣僚の見解を質した。
国際貢献について広中議員は、ODA(政府開発援助)が緊縮路線にあることを踏まえ、質を高めるためには人道型の支援が必要であると主張。相手国の自然環境保全や生活環境の細部に重点的に取り組むよう抜本的な見直しの重要性を指摘するとともに、NGO(非政府組織)をもっと活用すべきだと提言した。また、昨年末に犬塚直史議員がアフガニスタンを視察、日本の貢献について政権幹部と意見交換をしたことにふれ、アフガニスタンとパキスタンの国境地域に経済特区をつくり、現地住民の要望のもとに教育、農業支援を行うとする計画に関して両国が歓迎したと説明、この計画への評価を求めた。
麻生首相は、ODAについて積極的に活用すべきものと述べ、インフラ整備、人づくり支援など持続的な経済成長を通じて貧困対策、社会開発に取り組むとして、NGOとの連携協力についても引続き取り組んでいく考えを示した。
また、アフガニスタン、パキスタン両国については、麻生首相、中曽根外務大臣がそれぞれ、治安回復、テロ対策、インフラ整備、教育等の人道支援など、両国の安全と復興に向けて力を尽くすと表明。犬塚議員の計画に関しては、両国の国境地域の安定性は重要としたうえで、具体的な政策に関して検討していくとした。
広中議員は次に、環境関連事業における新たな雇用創出の可能性を指摘。二階経済産業大臣は、新たな成長戦略のなかで雇用創出を生むべきだとして共通認識を明示し、新たな経済戦略においても太陽光発電や電気自動車といった日本の環境技術力を生かし、21世紀の産業構造の構築をめざす必要性を述べた。
医療・福祉分野に関しては、全国的に深刻化する医師不足、介護労働者の処遇改善などを喫緊の問題として取り上げ、麻生首相、舛添厚生労働大臣それぞれに見解を質した。二人は、産科、小児科をはじめとする医師不足対策に向け、勤務医の環境改善など安心した医療を受けられる体制をつくると回答。介護労働者の処遇改善に関しても、「重要な課題」と受け止め、働きやすい環境整備のため、現場の声を聞きながら全力で取り組むとした。
最後に広中議員は、「GNM(グロス・ナショナル・モーティベーション=国民総意欲」という言葉を紹介。今回の経済危機、困難を克服するには国民の義務と貢献に加え、意欲が必要だと指摘。日本国民に義務と責任を問い、かつ意欲を高めるためにも政治の信頼回復は必要だとして、「『信なくば立たず』。我が国の国民の政治への信頼回復のためにも、一日も早い総選挙と政権交代が必要であると求めて質問を終えた。
|