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2009/02/04
【衆院予算委】「道路財源一般財源化は歳入の問題」との首相追及 前原議員
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 前原誠司副代表は4日午前の衆議院予算委員会で、日本経済の認識について麻生首相と問題提起したうえで、道路特定財源の一般財源化、公益法人の問題などについて質問した。

 冒頭、前原副代表は、今後、日本を担う政権はいくつかの制約要因を前提に国家運営をしていかなくてはいけないと分析。(1)910兆円を超える国・地方の借金に象徴される莫大な財政赤字(2)2004年をピークに突入する人口減少社会(3)少子高齢化(4)百年に一度の津波といわれる経済危機――の4項目を列挙した。

 そうした問題意識を踏まえて前原副代表は未曾有の不況を克服するための主な方針として、(1)財政出動を含む、あらゆる政策の動員(2)医療・介護・食糧・環境・省エネ・教育・先端技術・海洋・宇宙など、日本の弱点あるいは伸ばすべきの面に着目した、バラマキでない投資分野の戦略化(3)基礎自治体への権限・財源の移譲、天下りの受け皿となる公益法人のゼロベースの見直し、公共事業の見直し等、たゆまぬ行財政改革の努力(4)官製不況の克服、成長産業の育成、選別された規制緩和など政調戦略の具現化を指摘した。

 そのうえで、道路特定財源の一般財源化の問題について前原副代表はまず、麻生首相の発言のブレに注目。その発言を時系列で示した。

 平成20年3月27日の「CO2を排出しない新エネルギー開発、地球温暖化対策、救急医療対策の整備、少子化対策など様々な政策に使えるようにする」との福田首相の発言から始まり、麻生首相自身の発言を以下の通り取り上げた。「閣議決定もされているので(福田路線を)引き継ぐ」「基本的には一般財源化すると決めたのだからあとどうするかは12月の答えを見てほしい」(10月7日)、「道路特定財源の一般財源化に際しては1兆円を地方に移す」(10月30日)「(道路特定財源の地方道路整備臨時交付金)は何でも使えそうに見えるけど、ウソだから。道路にしか使えない交付金なんておかしい」(11月19日)、「(1兆円は交付税でなくても)構いません。何でもいい。裏で縛ってないやつじゃないと今だって交付金と書いてあるだろ」(11月20日)、「私はずっと同じことしか言っていない。地方に使いやすいお金を1兆円と言っている」(12月2日)。

 こうした発言をふまえて前原副代表は、2009年度の国の道路予算対前年度伸び率を提示し、09年度からの一般財源化で創設する9400億円の「地域活力基盤創造交付金」のうち8000億円が道路整備に使われる点を指摘。「これが答えか」と首相に迫った。それに対して首相は、「歳入が一般財源化されたところで、基本的には特定財源の一般財源化は終わっている。従って、あとはどう歳出の部分を使うかについては毎年、歳出の計画はつくられる」などと答弁。

 これを受けて前原副代表は、「自由に使うことにするという、しばりを解いたあとに何を使うかということが大事。基本的には道路整備のみに使えるものを一般財源化したのだからそれでいいという話ではない」と語気を強めて指摘。それでも「歳入を一般財源化するとしている。これが答え。歳出の話ではない」と強弁する麻生首相に前原副代表は、環境など他の分野に使えるようにするという議論から始まったはずと強調。「私から言わせると『やるやる詐欺の常習犯』だ。選挙をやるといってやらない。道路特定財源の一般財源化も使い方も一般財源化することが大事。やるやる詐欺だ」と批判した。

 前原副代表はまた、省庁所管の公益法人の問題も取り上げ、競争入札を目指すとしてきたこの間の政府の姿勢を説明したうえで、道路関係33法人の契約状況資料を示し、「確かに特命随意契約は少なくなったが、逆に随意契約はまだ残っているのか」という印象だとの見方を示した。そのうえで、前原副代表は確かに特命随意契約の割合は減って競争入札に変えてはいるが、参加資格を過去の受注実績などとすることによって、国土交通省の8地方整備局の発注先の96.3%が結果的に随意契約となっている点を指摘。

 つまりは「変える変えるといっては結局は変えない」体質が残っているのではないかと問題視するとともに、麻生首相が天下り、わたりの廃止に言及するのであれば、4600ある公益法人の見直しを行うべきであると強調。首相に見直す意志はあるか質したが、首相からは前向きな姿勢は示されなかった。

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