馬淵澄夫議員は4日午前、衆院予算委員会で質問に立ち、昨年の5月13日の閣議決定で、道路計画に関して平成20年度予算でも「最新の将来交通需要推計を基礎に厳格に反映する」とあることを取り上げ、反映されているかどうかを質した。
馬淵議員の質問に対して、金子国土交通大臣は質問の意味を理解できず、「資料が手元にない、質問通告を受けていないので答えられない」を連発した。さらには、費用対便益の事業評価を、実施評価と意識的に誤解して答弁した。
馬淵議員は、昨年の11月に出された将来交通需要推計に基づく、事業評価を行っているかどうかを質問。行っているのであれば、この予算委員会の審議の最中に出すべきであると主張した。
これに対して金子国交相は、当初「財務当局と行っている」と答弁したが、馬淵議員の追及に、それは単なる実施評価であり、事業評価ではないことを認めた。そのうえで、事業評価は3月末までに公表されるとして、かたくなに、予算委員会への提出を拒んだ。
馬淵議員は、昨年の11月に出された将来交通需要推計では、5年前の前回の推計よりも、2030年度で13.1%も交通量が減っていること、この推計を基に計算すれば、20年度予算で執行されている事業数768のうち56路線で費用対便益が1を切る恐れがあり、その予算総額は1012億円にも上ることを指摘。
こうした計画を認めているから、「本当に必要な道路かどうか分からない道路を造り続けることになる。利権の元凶だ」と馬淵議員は指摘して、予算執行に反映するため、せめて21年度予算審議に反映できるよう、早急な事業評価の実施、予算委員会への提出を求めた。
金子国交相は、「費用対便益だけで造るわけではない。地方から道路への要望は強い」などと開き直り、あまつさえ、予算委員会は全体の予算枠を議論するもので、個別議論をする場所ではないなどとする暴言も吐いた。
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