菅直人代表代行は4日午後の衆議院予算委員会で、雇用や景気対策などについて麻生首相と関係閣僚に質問した。
冒頭、日本の政治空白をこれ以上長引かせないために1日も早い解散・総選挙を断行すべきと主張。国民の最大の関心事は景気対策、経済対策、雇用対策であり、平成21年度予算を仕上げることが一番だと答えた首相に対し、「国民の信頼がない政権が何をやろうにも、リーダーシップが取れない」と指摘した。
消費税と年金の国庫負担の問題については、改正国民年金法の附則の考え方として、安定財源の確保が求められているにもかかわらず、09年度からの基礎年金の国庫負担割合2分の1引き上げに際して、09年度と10年度は特例的にいわゆる埋蔵金を出す政府の対応を議論。「税金のムダ遣いをそのまま放置して、消費税引き上げの議論に入ること自体が大間違い」と指摘したうえ、自公政権が100年安心と言った年金制度改革が、安定財源を充てることもできなくなっている問題点を挙げた。
雇用については、雇用保険料率の軽減、製造業の派遣労働者の09年問題などについて首相や舛添厚生労働大臣の見解を質した。また、(1)雇用保険を拡充し、対象を正規労働者から非正規労働者まで拡大する、(2)「求職者支援法」を新設し、雇用保険ではなく一般会計から職業訓練と生活支援を行う、(3)母子加算や運用の改善による生活保護制度の見直し、という三段階のセーフティネットを設ける民主党案を示した。
景気対策については、党が取りまとめた真水57兆円、与信枠30兆円の経済対策を提示。定額給付金のように効果が薄く、役立つものが残るわけでない政策に使うべきではないと主張した。財政支出の中身が大変不正確だと答弁した与謝野経済財政政策担当大臣に対し、公開討論会に応じる構えを見せ、高速道路料金の引き下げにも言及して、政府の案こそ筋が悪い政策だと手厳しく批判した。
菅代表代行はまた、太陽光パネルの固定価格買い取り制度の導入を求めるなど、「緑の技術革新」(グリーンイノベーション)推進を訴えた。さらに予算編成のあり方について「使う立場の人が中心にやるというのは大間違いだ。逆に使わない立場の人が全体を見なければ、日本全体の財政はおかしくなる」と指摘。天下りや補助金の問題の解決のためにも役所単位の積み上げによる予算の作り方を根本的に改める必要性を述べて質問を終えた。
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