大島敦議員は5日の衆院予算委員会で、雇用、景気対策を中心に麻生首相をはじめ関係閣僚に見解を質した
はじめに、最大の雇用対策は景気浮揚だとの認識を示し、自身は一昨年秋頃から景気後退期を実感したと述べ、多くの中小・小規模事業主は内部留保がないままに、また雇用されているサラリーマン世帯の約2割は貯金のないままに、この10年間を走ってきたとして、10年前の景気後退期とは違い、厳しさを増す景気動向において蓄えもない状況だとの見方を示した。
大島議員はまた、生産業の受注量が激減し、営業しても受注がないとする地元経営者から聞いた厳しい状況を指摘。2005年を100とする鉱工業生産・出荷指数が昨年10月の105から今年1月は95、2月は75と、1年間で40指数も落ち込むと見込まれる生産予測にも触れ、年度末に向けて厳しい状況下において緊急的に対策を打っていく必要性を強調した。
日本銀行の白川総裁は、1年以内の社債借り入れを検討、金融機関が保有している株式の中央銀行の借り入れの再開など異例の措置をとっていると説明。二階経済産業大臣、与謝野経済財政担当大臣からもそれぞれ検討項目が示された。
大島議員は、中小・小規模企業の資金繰りについても言及し、「お金を貸してもらえなくてもいいから返済を猶予してほしい」との悲痛な叫びを紹介。金融政策の見直しを主張し、大企業に対する公的金融機関による資金投入のように中小・小規模企業に対しても踏み込んだ政策を年度末に向けてスピーディーに行うよう求めた。
次に大島議員は、舛添厚生労働大臣が過去最大規模と謳っている雇用創出基金4000億円について、前回の景気後退局面の2000年にも4000億円を積み立てていたと認識の違いを指摘。舛添厚労相は、完全失業率との比較において過去最大規模であると説明、2000年の完全失業率は5.2%であり、今回は4.7%を想定し予算を組んでいるとした。
大島議員は、完全失業率4.7%見通しについて、さらなる危機感を示し、4.7%超えた場合にはさらなる予算を組む予定があるかを質問。舛添厚労相は「これまで4000億円積み立てたから大丈夫」と強気な発言から一転し、景気状況に応じて必要ならばさらなる雇用対策を講じる可能性を示唆した。
与謝野経済財政担当相も、完全失業率が4.7%で留まるかとの大島議員の懸念に同意を示し、経済活性化のための対策と同時に新たな雇用の場を創出するため、賢明な努力をすると述べた。
最後に大島議員は、現下の情勢において、特に20、30代が雇用の現場から離れていることに危機感を表明。政治の役割として新たな雇用創出とともに、セーフティネットの構築の必要性を強調し、質問を終えた。
|