参議院財務金融委員会理事の大塚耕平、大久保勉、尾立源幸各議員は17日午前、国会内で会見し、G7終了後にろれつの回らない状態で記者会見に臨んだ問題で渦中にある中川財務・金融担当大臣が同日午前、閣議後に都内の病院に行ったため、参議院財政金融委員会が取り止めとなった問題をめぐり、野党筆頭理事の立場からコメントした。
同日、中川大臣の病院行きを理由に、20年度第2次補正予算関連法案を審議する参議院財政金融委員会は取りやめになったほか、衆議院予算委員会も同日午前の理事会で、与党側から中川大臣は出席できないとの説明があり、午前中に予定されていた平成21年度予算案の一般質疑は行われなかった。
大塚議員は「本日の経緯について」(下記ダウンロード参照)語り、午前10時開会予定だった同日の参議院財務金融委員会は、昨日の理事懇談会で与野党合意によって正式に設定されたものであり、一方、衆議院予算委員会は委員長職権によって設定されたものだったと説明。「このため、参議院財政金融委員会が優先される格好で正常に開会され、平成20年度第2次補正予算財源関連法案の審議が行われるものと期待していた」とした。
大塚議員はまた、「本日の経過の問題点」として、中川大臣は本日の閣議には出席し、午前8時47分時点で病院に向かったと財務省から報告を受けたことを明かし、参議院財政金融委員会の開会は10時であり、病院を出たのは10時半だとする事実を踏まえても、「検査のために病院に行くというならば、事前に国会の了解をとってから行動するのが要職にあるものとして当然の手順」と述べ、公務を投げ出した国会軽視の中川大臣の姿勢を批判。同時に公務である午前の委員会を事前了解なく欠席する決断をし、午後の委員会には出席するという手順は承服しかねるとして、その程度の健康状況ならば、昨晩や今朝の段階での検査も可能であったはずだと厳しい口調で断じた。
そのうえで、「今回の対応は重要な公務であるG7共同記者会見での醜態と同様に、公務の重要性と公務を変更する場合の手順についての認識を欠いた不適切な行動であり、度重なる不祥事を目の当たりにし、中川大臣の政治要人としての適性に関して疑義を感じざるを得ない」と表明。飲酒、服薬をしたことの是非よりも、公務と職責を果たしうる状況にあるかどうかが重要なポイントであるとして、「麻生総理大臣には、重責を担いうる知力、気力、体力を兼ね備えた人材を配するよう強く求める」と語った。
大久保議員はまた、日本は今回のG7で、IMF(国際通貨基金)に最大1000億ドルを融資する契約に署名したほか、国際協力銀行を通じて途上国企業の貿易支援に10億ドルを供給する新施策も表明したことを指摘。会見時の中川大臣の酩酊ぶりから見ると、G7の席上十分な発言・PRができたか疑問だとも指摘した。
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