小沢一郎代表は17日夜、東京都内のホテルでヒラリー・クリントン米国務長官と会談。より強固なパートナーシップ構築に向けて意思を確認、固い握手を交わした。会談には、菅直人、輿石東両代表代行、鳩山由紀夫幹事長、山岡賢次国会対策委員長が同席した。
小沢代表は会談終了後に記者団に対し、冒頭、日本訪問と、さらには代表自身の日程への配慮により遅い時間にも係らず会談が実現したことへの感謝の意を表したことを明らかにした。
クリントン国務長官からは、「来年は50周年となる日米同盟が両国にとってもアジアにとってもあらゆる意味でいい結果を果たしてきた。これからの50年もさらに日米同盟を強固なものにしていくためお互い努力しよう」との趣旨の発言があったと伝えた。
これに対し小沢代表は、「全面的に同意する」と述べたうえで、最近の代表の言動について米国内で誤解があるとの忠告を米国の友人から受けたと明かし、「日米同盟が何よりも大事であるとずっと以前から唱えてきた者の一人である。ただ、同盟というのは一方が一方に従う従属の関係であってはならない。お互い主張を交換して議論し合い、よりよい結論を得る。そして出た結論についてはしっかり守っていく関係でなければならないと思っている」と、対等なパートナーシップであって初めて同盟だとする従来からの持論を表明。クリントン長官は、この日米同盟、パートナーシップを前提にいろいろな分野で有効に活用していくことが大事だと応じたとした。
このほか、米軍再編問題、北朝鮮問題にも言及。米軍再編問題について小沢代表は、「まず、両国で同盟国として世界戦略をきちんと話し合いをし、合意したうえで、個別の対応をしていくことが大事ではないか」と指摘。今まで日本政府は自らの主張をきちんと提示し得ていないこと、また、日本人が例え困難な役割でもお互いのなかで分担する責任を果たしていく覚悟がなかったのではないかとの見解を述べたことを記者団に明かした。
北朝鮮問題については、「北朝鮮が核のカードを手放すとは思えない」との見解をクリントン国務長官に示したうえで、それ以上に中国問題がより大きな問題だと指摘。市場主義の導入は大きな成果だったとする一方、「それは両刃の剣であり共産主義と市場主義は原理的に相容れない。必ずこの矛盾が表面化するだろう」として、日米にとって最大の問題は中国問題であると強調。中国の民主化、ソフトランディングをいかにして行うかが日米、世界にとって最大のテーマであると主張したと述べた。
これに対してクリントン国務長官は、「大変重要な洞察だと思う」と同調、「いずれにしても、日米中のトライアングルが非常に大事な関係」との認識を両者で合意し、確認したとした。
最後に、クリントン国務長官は今日一日を振り返ったうえで「継続して今後もやっていきたい」との発言があり、小沢代表は、国務長官はじめ米国首脳とこのような話ができるよう、選挙で勝利するよう頑張ると決意を表明し、別れたと明かした。
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