川内博史議員は、19日午前、衆院予算委員会で行われた集中審議でかんぽの宿売却に関する疑惑、中川前財務相のローマでの記者会見での醜態を防げなかった財務省の責任等を追及した。
川内議員は、かんぽの宿問題は、悪い民営化の象徴だとして、オリックス不動産へ売却予定であった79の施設について、不動産鑑定評価と固定資産税評価額を明らかにするよう要求した。
日本郵政株式会社執行役は、79施設合計で20年度で固定資産税評価は857億円、不動産鑑定評価額は平成20年9月の簿価評価で123億円であることを明らかにした。
川内議員は、鳩山総務相に、どう思うかを質した。総務相は「固定資産評価額より不動産鑑定評価が3割、4割、5割増しが普通。大きな疑問を感じる」と答えた。
次に、川内議員は、日本郵政株式会社法上のかんぽの宿の位置づけが「加入者の福祉施設」であり、ホテル業でも旅館業でもないこと確認、不動産鑑定評価の際に、ホテル業として評価したのではないかと質した。日本郵政株式会社執行役は、「ホテル業としての現況を所与として鑑定を依頼している」と答え、法違反の鑑定だったことを認めた。
このため、川内議員は、「福祉施設を営利企業として評価することに問題がある」として、この問題に関する集中審議を要求した。この要求は理事会で協議されることになった。
次に、川内議員は、G7に同行した職員数と費用を質問。玉木財務省国際局長は、職員は22人、費用は6000万円の見込みと答えた。
また、一連の会食、記者懇の流れや当日の中川前大臣の様子を確認し、また、記者会見の後、バチカン視察に行っていることも確認したうえで、記者会見の前に前大臣の体調不良に気付き休ませたのならば、さらにもう少し休もうと、声をかけるべきではなかったかと川内議員は質した。玉木局長は、「大臣が記者会見をやろうと言って、会見場への階段を下りて行ってしまった」と答え、声をかけなかったことを認めた。
川内議員は、同行した職員、財務省には、大臣を補佐し、醜態をさらさないようにする責任があったはずで、今回は記者会見で醜態をさらしたことで財務省にも責任があるとして、同行した篠原財務官、与謝野財務大臣、麻生首相に見解を質した。
財務官は、「大臣を補佐する面で、必ずしも十分でなかった点があったと思う」と答え、財務相は、「官僚組織に責任をとらせるのは酷」、首相は、「自分が記者会見に行くと決めた。その最終責任は大臣」と答えた。
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