仙谷由人議員は、20日午後に行われた衆院予算委員会の集中審議で、予算、社会保障の前提となる経済見通しについて取り上げ、現下の経済情勢と一致しておらず、議会での修正協議に応ずるべきだと要求した。
また、予算、資源の投資先についてもあるべき社会を明確にし、それを目指して集中的に投資すべきだと問題提起し、政府案は根本的な組み替えを図るべきだと主張した。
仙谷議員は、昨年1月では、08年度名目GDPが526兆円だった見通しが、今年の1月の見通しでは509兆円となっている点を取り上げ、達成するにはこの1月から3月の4半期で、年率24%もの経済成長率が必要だとして、「決定した時点では正しいと100回言っても何の役にも立たない。間違った前提の予算というしかない」と詰問した。さらに、日本経済新聞が集計した上場企業の決算予測を示し、法人税収を確保できるのかと質した。
与謝野財務大臣は、「法人収益は急速に悪化。こうなるのではと私どもも思っている」と答え、暗に09年度予算の前提が崩れていることを認めた。
次に、仙谷議員は、アメリカ議会で、経済対策法案が上下院で異なる議決を経て、修正協議、妥協によって成立したことを挙げ、麻生首相の文藝春秋11月の論文も引き、さらに、例えば、定額給付金を外せば、08年度補正予算は成立していたとして、「日本でもそうすべきではないか」と提案した。
首相は、補正予算関連法案審議の委員会も開かれていないなどと述べ、相変わらずの姿勢に終始した。
このため、仙谷議員は、いざとなれば、30日の予算自然成立、衆院における3分の2議席の与党多数を奇貨として、60日で再議決すればいいという態度では、議院内閣制、議会制民主主議を危うくすると厳しく批判した。
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