愛知県名古屋市で22日、「愛知派遣切り抗議大集会」が開催され、職を失った当事者や支援活動関係者ら約500人が集まった。民主党からは党緊急雇用対策本部の谷岡郁子参議院議員のほか、富田昭雄愛知県議会議員、とね勝之愛知県議会議員らが参加した。
集会の中で、実際に派遣切りで失業した当事者からの報告があり、「突然の解雇通告に慌ててしまい、それが正当なものか不当なものかを判断することすらできなかった」、「住みこみ派遣で、『もう仕事がない』と言われたその日に部屋から荷物を出された」など、それぞれの方々経験した深刻な事態が報告された。
民主党を代表して挨拶した谷岡議員は、「政治が担わなければならない問題なのに、政治は皆さん市民の後をついていく状態になっている。本当に申し訳なく思っている」と詫びた後、「勇気を持って発言して下さった当事者の方々に応えるためにも、皆さんと一緒に暖かく支えあう社会を作りたい。そして、政治も、そのような社会を支えるシステムを作るよう努力していく」と、政治の責任を果たすことを約束した。
また谷岡議員は、政府も国会も、本来は別でなければならない厚生と労働分野をひとつの省で対応しているのが問題だとの見方も示し、「国会の厚生労働委員会が年金や後期高齢者医療の問題で忙殺されていなければ、今の状況のひどさも少しは緩和できたはず」と指摘し、今後、厚生と労働の双方の問題に十分に対応できるよう、見直して行く必要があると訴えた。
また、集会に先立ち、反貧困ネットワークの宇都宮健児代表と当事者と面談が行われ、谷岡、富田、とね各議員が同席、より詳しい状況や当事者としての要望などを聞いた。
約1時間の面談では、「厚労省がホームページで発表していた対策の内容を詳しく知りたくて労働基準監督署に行ったが、その内容がわかる職員がいないどころか、そのような対策が発表されたことすら知らない様子だった」という意見があり、谷岡議員は「東京では、厚労省が『これだけのことを行っている』と報告しているので、肝心な現場に全くおりていないのは問題」として、早急に調査すると応じた。また、富田、とね両議員も、県の対応を求めていくために、住居の確保や雇用保険など、当事者の方々が求める課題は何かについて具体的な質問を行った。
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