甲府市内で山梨県雇用対策本部シンポジウム、同県連大会と引き続いて行われた28日午後、菅直人、輿石東両代表代行は揃って会見した。
冒頭、菅代表代行は会見に先立ち行われた県連大会でも発言したがと前置きしたうえで「この山梨県は、輿石現県連会長の長年のご努力がどんどん実ってきて、大変しっかりとした県連に育ってきたという感慨を新たにした」と表明。「武田信玄公は残念ながら政権というところまではいかなかったが、信玄公誕生のこの地から、民主党信玄公・輿石会長のもとで、ぜひとも今年の間にしっかりとした政権をつくっていきたい」と力説した。
09年度予算案衆議院通過と同時に自民党内で新しいリーダーを求める声が出ている点、解散・総選挙の見通し、山梨県内3選挙区の情勢等をどう見るかとの問いには、自民党の姿勢についてはさっそくに自民党のベテランとも言える人たちが麻生首相に対する実質上の退陣を公然と要求するようになったということだと菅代表代行は指摘。そのうえで「しかし私は麻生さんを辞めさせて次の新たな選挙の顔になる人を探そうという考え方そのものが国民にとても支持されるとは思わない」との見方を示した。
「ここまで、(安倍・福田・麻生首相と)3代に渡って日本の政治を空白状態におき、まさに対応の遅れに遅れた政策しか打ち出せない自民党政権であるのだから、麻生さんを降ろすなら降ろしたうえで、政権の座から自ら降りる。具体的に言えば総辞職した後、首班指名で白票を出せば、自動的に野党第一党の代表が総理に就任することになるから、そういう形で下野する。そのことで初めて、自由民主党というものが現在における責任、自分たちの失敗した責任をとることができる」と指摘した。
「それが最低限の行動だと思っている」と釘を刺し、そもそも、麻生首相を辞めさせて誰かに首をすげ替えようという自民党の行動そのものが国民の支持を得られないのではないかと見ているとした。
選挙の可能性については、政治空白がこれ以上続くことは国民的に望ましくないので、一日も早い解散・総選挙こそが望ましいと考えていると表明し、「それに向かっていろんな意味で努力していきたい」と語った。また山梨県内の情勢については、ふたりの現職は小選挙区で勝ってもらわないといけないし、第2区の坂口たけひろ公認予定候補者についても「(相手は)なかなかの強敵だが、小選挙区で勝ちうる状況にあると期待を込めて考えている」と分析した。
また、県連大会で「近々党本部で三役懇を行う」とした発言の真意を問われた輿石代表代行は、「菅代表代行は予算委員会筆頭理事として一月に渡ってわが党を背負いながら先頭に立ってこられた」と菅代表代行の奮闘ぶりを大いに評価するとともに、「舞台は参議院に移る。移ってこちらも結果を出さなければいけない」と表明。同時に「いま、(自民党が)下野する勇気がなければ、こちらから追い込むということも当然考えなくてはならない。国民のために、これはすごく大事な時期になる」と述べ、三役懇においては、党として今後どういう方針でいくかもお互いに意思の疎通を図り、打ち合わせしていくという意味で大げさなことではないとした。
続いて、石破農林水産大臣が同日放送されたテレビ番組で「早く民意を問うべき」として早期の解散を求める発言をしたのをどう見るかとの記者からの問いに菅代表代行は、自らの地元を歩いて直接耳にした有権者の反応として、民主党、自民党がどうこうという話を越えて、「いったいいつまで解散しないでごちょごちょやっているのか」という怒りの声を強く聞くようになったと指摘。「当然、自民党のみなさんのなかでも、自民党支持者のなかでも同じ声が強く上がっていると認識している」と語り、石破農水相の発言は「解散を先延ばししてこれ以上、何をやってもうだめじゃないのか」という国民のみなさんの声に多少素直に反応した発言と推測すると語った
輿石代表代行は、「国会内外すべての人がイライラしている。そういうことだ」と断じた。
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