党緊急雇用対策本部(本部長=菅直人代表代行)は3日午後、埼玉県さいたま市の「独立行政法人雇用・能力開発機構埼玉センター(埼玉職業能力開発促進センター)」を視察した。
同センターでは、求職中および就職中の労働者に対して、スキルアップのための職業訓練を行っている。視察には同対策本部事務総長で非正規雇用対策プロジェクトチーム座長の細川律夫衆議院議員をはじめ、山井和則『次の内閣』ネクスト厚生労働副大臣、大島敦、郡和子、高山智司各衆議院議員、行田邦子、津田弥太郎、吉川沙織各参議院議員、本多平直埼玉県第12区総支部長が参加した。
冒頭、細川律夫衆議院議員が挨拶に立ち、深刻化する一方の雇用情勢のなか、年度末を迎える3月にはさらに多くの働く人々が雇用を失うことになるだろうとの見通しを述べ、求職者支援法案などの法整備と雇用創出プランの両面で、再就職への取組みを行っていると強調。今回の現場視察を参考にしたいとの意向を語った。
同機構全体の概要および同センターに関する概要について説明を受けた後、施設内のテクニカルオペレーション科(機械加工科)とテクニカルメタルワーク科(溶接技術科)の訓練現場を見学した。
同センターでは、民間では実施していない、主にものづくり分野の訓練コースに特化し、技術の認定資格を取得できるよう日々の訓練のなかに課題を盛り込むなどプログラムに工夫を凝らし、6ヵ月で技術取得、就職ができるよう訓練している。また、離職者のみならず在職者に対する職業訓練も実施、近隣企業の従業員が熱心に技術指導を受ける光景も見られた。
見学後の質疑応答では、在籍状況や就職状況、訓練プログラムのあり方など実態確認に努めるとともに、今後の課題についても積極的に意見を求めた。同センターでは求人ニーズの把握、効果的な訓練の実施に努め、平成19年度では施設内訓練では目標就職率80%以上に対して82.0%を実現。しかし、厳しい雇用情勢を受け、今後は「足で稼ぐ就職率」を目指すという。
求職者支援法案については、山井ネクスト厚労副大臣が施設内で訓練中の離職者から実現を求める声を受け止めた。同センタースタッフからも、今ある施設、設備で可能な範囲で精一杯取り組んでいるが、就職者支援の対象から外れた人々へのセーフティネットをどう整備するかが課題であると期待が寄せられた。
高山議員は視察後、記者団に対し、「求職者支援法案の提出を前に(職業能力開発促進センターが)十分機能しているか、訓練の実態を把握するため」と視察の趣旨を説明。同センターの取り組みを評価したうえで、今後の日本のリーディング産業となりうる介護分野等の訓練が必要だと主張、4月からは2年間の介護福祉士養成の訓練も実施されるが不十分だと指摘、民主党の政策を活用してほしいと述べた。
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