トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2002/04/10
【参院本会議】榛葉議員、政府の手薄なシックハウス対策を追及
記事を印刷する



 10日、参議院本会議で民主党・新緑風会の榛葉賀津也議員が質問に立ち、「建築基準法等の一部を改正する法律案」「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法)の一部を改正する法律案」に対する質疑を行った。

 榛葉議員はまず、建築基準法改正案をめぐって「初めてシックハウス対策がなされたことは評価したい」としつつも、これで問題が本当に解決するか疑問だと提起。シックハウス症候群に悩む患者さんたちの実情を述べるとともに、坂口厚労相にその患者数とシックハウス症候群が病気と認定されていない理由を質した。

 坂口厚労相は「人によって症状が違うために医学的に確立するまでに至っていない」とし、そのため患者数の把握できていないことを明らかにした。榛葉議員は「シックハウスの問題はBSEや薬害エイズの問題と同じ構図だ」と指弾。危険性が指摘されているにもかかわらず、因果関係が立証されないとの理由で処置を先延ばし、被害の拡大を招くことになると提起し、国による手厚い対策の必要性を主張した。

 その上で榛葉議員は、改正案がシックハウスに対して、建材の使用制限や換気施設の設置などの「入口規制」で対応しようとしていることについて3つの問題点を指摘。2種類の化学物質しか規制対象にしていないこと、建築物完成後の検査を義務づけていないこと、患者発生時の責任所在が明らかでないことを、それぞれ具体的に追及した。

 また、榛葉議員は民主党提出の「特定化学物質による建築物の居室内の空気汚染の防止等に関する法律案」が先の国会で審議すらされずに廃案となった件を挙げ、「政府のシックハウス問題に対する無関心さには閉口する」と指弾。同案ではすべての建築物に、工事終了後の室内濃度測定、基準値を上回った場合の改善措置を義務付けていた点を明らかにし、この「出口規制」こそが必要不可欠だと問題提起した。

 ハートビル法案に関しては「今回の改正案は一歩前進だと認識しているが、まだまだ不十分だ」と言及。対象者を拡大し、妊婦や子ども、けが人や病人、知的障害者や精神障害者なども加えて、できるだけ多くの人が利用可能であるとのコンセプト、いわゆるユニバーサルデザインの発想にシフトしていくことが重要だと指摘した。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.