小沢一郎代表は6日午後、党本部で記者団の質問に答え、自身の政治資金管理団体「陸山会」への西松建設関連の政治献金で、東京地検の強制捜査を受けたことについて、「犯罪の事実や行為は一切ない」と改めて表明した。
4日午前の記者会見後の「疑惑報道」に対する説明を求められた小沢代表は、「疑惑が出ているとは思っていない。私が収賄の被疑者のような報道をされているが、そういう事実は全くない。それは変わっていない」と強調。「個別のことについては、秘書を信頼して任せているので、個々の献金についてはわからない。ただ、政治献金はありがたくいただいて、その浄財で政治活動を行っている。また、政治活動を続ける中で、いま問題になっている西松建設だけでなく、いろいろな会社であれ個人であれ、献金のお礼とお願いの挨拶をするのは当たり前だ。その意味では、何も問題はないのではないかと思う」と語った。
献金の請求書が西松建設宛てに出されていたことについては「どういう形、手続きでやっていたかはわからないが、政治団体からの寄付なので政治団体で事務的に受けたということだと思う。(陸山会に寄付した)2つの政治団体のお金がどのような形で集められたのかは、他の人には知るすべもない。政治団体から政治団体へということで事務処理をしてきたことに問題はないとした。
担当秘書が起訴された場合の責任については、「大久保秘書が逮捕された理由は、(政治団体からの寄付の)実態は西松のお金が全てだったからであろう。しかし、それは(西松以外の第三者には)全くわからなかったわけだから、政治団体から政治団体への寄付として事務的に処理した」と強調。「そうした事実が最初からわかっていれば、企業献金が許されている政党支部で受ければいいことだし、後で(寄付の原資の実態が)わかったということなら、収支報告を訂正すればよい。従来から、自民党あるいは総理の方々でも、そういう修正申告で済まされてきたことだと思う」と指摘した。
さらに、小沢代表は「それ以上の何か、例えば収賄の容疑があるとかいうことであれば、つまり、事実上のあっせんとか口利きとかをしたというのなら、どんな捜査を受けてもやむを得ないし、当たり前のことだと思う。しかし、私自身も大久保秘書も、そういう類のことは事実として一切ない。その意味で、何か犯罪をおかしているかのような前提で論じられるのは心外だ」と反論した。
それに関連して、代表の検察批判については、「言葉遣いがまずかったら、訂正はいくらでもする。現実に(政治団体からの寄付について)認識の違いがあったのは、結果を見ればそうかもしれないが、しかし、政治団体から政治団体へ(の寄付)という事務的作業をしただけで、即逮捕ということは今までなかった。それ以上の犯罪があるという前提なら別だが、私としてはそうした行動は一切していないし、大久保もしていないと確信している」と重ねて述べた。
西松建設側が小沢代表に何らの見返りを期待していたと報道されていることに対し、代表は「献金する人たちの思いはそれぞれ違う。企業もそれぞれ思いはあるかと思う。しかし、私どもとしては、お国のため、みんなのために使ってくださいという善意(の献金)として受け止めて、ありがたくいただいている。内心の思いまではわからないが、善意を信じていただいている」と語った。
また、党内で代表の進退に言及する発言も出ているとの報道については、「現時点では、いま申し上げた通り、政治資金の収支報告書の認識の違いはあるが、犯罪の事実や行為は一切ないので、私としては自分の進退については考えていない。いずれ、きちんと結論が出てからのことだと思っている」と進退問題を否定した。
西松建設との付き合いについては、「西松建設と関連企業の皆さんが、私を応援する後援会をつくってくれた。年に1回、みんなが集まった時に出席して、お礼の挨拶をした。その席には、社長はじめトップの人は出席していなかったと思う。この間辞めた社長とも面識がないと思う」と語った。
東京地検が小沢代表から事情を聴きたい意向だと報道されていることについては「あなた方の質問にもちゃんと答えていますから、どなたでも、お話したいということであれば、地検であろうがそのほかであろうが、可能な限り、話し合いはいつでもする」と述べた。
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