直嶋正行政策調査会長と大塚耕平・民主党金融対策チーム座長は6日午後、国会内で記者会見し、「国民生活を守る『緊急資金繰り対策』」を発表した。
提言は「金融危機対策は非伝統的金融政策の領域により深く踏み込まなくてはならない段階に移行している」という基本認識に立ちつつ、国債の発行残高を増やさずに財政出動的効果を生む具体的対応を示したもの。関係当局が今回の提言も参考にしつつ、自発的自主的に的確な対応を図ることを期待し、企業が雇用等に関する社会的責任を果たすことを求めている。
企業の資金繰り対策としては(1)政府保証付きレポ(国債貸借)、(2)政府保証付き在庫等(流動資産)担保証券、(3)条件変更分の日銀無利子資金提供、(4)信用保証対策の拡充、を提言。家計の資金繰り対策についても、職を失い、ローン返済が条件どおりに出来ない人に、条件変更をできるような対応が必要だとしている(下記ダウンロード参照)。
直嶋政調会長が概略を説明し、これまで数回にわたり党としての緊急経済対策を提案してきたと紹介したうえで、大幅な経済の落ち込みにより、年度末を控えた企業の資金繰りが厳しくなっていると指摘。「様々な考えうる政策手段を動員して、企業の決算期の資金対策をやっていく必要がある」と述べ、当面は、この資金対策と雇用対策を年度末に向けてきちんと実施し、次に、内需拡大を柱とした経済対策を実行するという考え方で臨んでいくべきだとした。
大塚座長は、過去の提言の際には、党の方針が決まった後に、金融対策チームで、関係当局一同を集め、その内容を活用してどういう具体的対応ができるか、できない場合は打開策がないのか、などと、省庁縦割りの弊害を是正して議論する場を提供してきたと報告。今回も、集まってもらって議論する段取りだと語った。
(1)については、日銀が保有する国債を企業に貸与し、企業はそれを担保として金融機関に差し入れ、融資を受ける仕組みを提案するもので、国債を借りる企業に対し、政府保証をつけるのと同じ効果があると指摘。通常の対応でないことを重々理解したうえで、本当に大変な状況という認識を共有して、対策を検討すべきではないかと、政府・日銀にあらためて提言するとした。
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