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2002/04/10
【党首討論】鳩山代表、改革に背を向ける首相を厳しく批判
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 10日、参議院国家基本政策委員会の合同審査会において、今通常国会初の党首討論が行われ、民主党の鳩山由紀夫代表が国民に背を向ける小泉首相の変節を痛烈に批判した。

 主なやりとりは以下の通り。

■「初心に戻りなさい」

鳩山代表 小泉総理、初心に戻りなさい。内閣が発足してほぼ1年で、国民の支持率は半分以下になった。これは国民が変わったんじゃない。あなたが国民の方ではなく、永田町の方ばかり向くようになったからだ。

小泉首相 支持率が変わろうが、改革への意志は変わっていない。自民党も、一部に異論があったが、私の改革方針を支持してくれている。私でなく、自民党が変わってきている。

■BSE問題

鳩山 BSE問題で農水省の「重大な失政」を指摘する報告書が出た。武部農水相に対して、国民の7割が「辞めなさい」と意思表示し、与党の中からも責任を取らせるべきだという声が出ていたにもかかわらず、それを抑え込んだのはあなたではないか。

首相 総理をやれば、何をやっても批判が起こる。辞めれば済む問題ではない。(農水省)改革への強い意欲を買って続投を決断した。

鳩山 派閥の論理の中で判断しただけ。武部大臣の失政でどれだけ国民が傷つけられたかを考えれば、まずけじめをつけてからスタートすべきだ。

■鈴木議員問題

鳩山 自分でいったんは“(鈴木議員は)けじめをつけるべき”と発言しながら、与党に言われてすぐにひっくり返った。本当は辞めた方がいいと思っているのではないか。それなら、野党の辞職要求に応えるべきだ。

小泉 (国会議員の)出処進退は、本人が決めることだ。

鳩山 いつから評論家になったのか。自民党で大事な役職を担っていた人なのに、すべて他人事のようだ。自民党総裁としてのリーダーシップが求められている。厳しく辞職を求めるべきだ。

小泉 (鈴木議員は)すでに離党している。

鳩山 そうやって鈴木議員をかばうから抵抗勢力に負けた姿が明らかになり、支持率を下げたことに気付くべきだ。

■機密費上納問題

鳩山 田中真紀子氏が機密費問題で韓国TV局の取材に対して“外務省と官邸は本当は一緒”と言っている。官邸への機密費上納問題を究明せよ。

小泉 田中氏は機密費については問題ないと外相時代に言っている。

鳩山 田中氏は、官邸の裏金と外務省の機密費について外相時代に公開するつもりだったが、小泉首相と福田官房長官に抑えられたとも語っている。田中氏を参考人として呼んで機密費上納問題について聞きたい。委員会に要求する。

■公共事業をめぐる汚職問題

鳩山 公共事業受注企業から寄付を受けることを禁止しようと提案したと聞いた。ぜひリーダーシップを発揮してやってほしい。

小泉 不祥事をなくすためにどのような対策が必要か、与党で議論をつめている。

鳩山 難しい話ではない。選挙期間中は禁止されているものを、全期間に広げるだけのことだ。福田官房長官が「こんなことをやったら自民党が潰れてしまう」と言ったそうだが、あなたは「自民党をぶっこわす」と言ったのだから、ぜひあなたの手で法案を出して実現してほしい。

■中東問題をめぐる外交姿勢

鳩山 イスラエルとパレスチナの問題は深刻だ。米国の認識は甘すぎた。日本は同盟国として米国に一言あってしかるべきだったと思うが、何か言ったか。

小泉 どこの国に対しても、常に日本の立場ははっきり表明している。パレスチナ、イスラエルに対しては、できるだけ自制心を発揮し話し合いで和平実現に努力してほしい。米国には、テロ問題や世界平和のために協力していこう、ということだ。

鳩山 イスラエル・シャロン首相の戦闘行為に対してもっと厳しい姿勢を明確にすべきだ。小泉内閣は対米コンプレックスが強すぎる。真の構造改革とは、対米コンプレックスからの解放ではないか。

■解散・総選挙について

鳩山 解散をほのめかしたそうだが、大いに結構、受けて立ちたい。“伝家の宝刀”を抜き、国民に正しい判断を仰ぐべきだ。決断を。

小泉 解散は混乱したら考える。今は考えていない。

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