前川清成議員は16日午後、参議院予算委員会の行政改革・天下り・郵政に関する集中審議で質問に立ち、徹底してムダを省く必要があると主張した。
冒頭、前川議員は、消費税の上げ幅について質し、「今この段階で『何パーセントか』という数字を具体的に頭の中に入れて『この数字でお願いしたい』と考えているわけではない」と答えた首相に対し、今の国の財政規模、行政の量をこのまま維持し、足りない部分を税金で補っていくのか、国のサイズを小さくするのか、考え方の筋道を示す必要があると指摘。「増税をする前に、徹底してムダを省かなければならない」と述べた。
税金のムダ遣いの例として前川議員は「私のしごと館」を挙げ、麻生首相は事業廃止について、今の時代にあっていないという見解を示した。前川議員は、計画に携わった人の責任が問われなければ国民の皆さんは納得しないと述べ、政府としてどのように総括するのか追及。首相は、所管の厚生労働大臣が答弁するのがしかるべきかたちで、答える術がないと述べた。
前川議員は「民主党は一般会計だけの議論ではなく、特別会計も全部合わせて、国の無駄を徹底的になくす。総歳出を見直していく。すると社会保障に必要な財源もきっと見つかるのではないか」と述べ、年間20億円の赤字を出す施設の計画に携わった人の責任が問われないなかで税金の話をしても、国民の納得は得られないと強調した。
前川議員はまた、天下りが公共工事のムダを生み出す原因になっていると指摘。四国新幹線の調査費を例に、天下りを受け入れている独立行政法人への税金の支出について質問した。また、民主党が実施した予備的調査により、12兆円の税金が天下り先に流れていることが明らかになったとして、天下りを止める決断を迫った。
さらに前川議員は「『あれもこれも』という行政ではなく『あれかこれか』、選択が政治の大切な役割になってくる」と主張。国の防衛予算にもメリハリが必要ではないかという見解を示し、新装備の導入や自衛隊病院の地域開放などについて浜田防衛大臣の見解を質した。
09年度本予算で、3500億円の予備費のほか、1兆円の「経済緊急対応予備費」がもうけられたことにも言及し、いつ使うのか、国会開会中の予備費の使用に関する閣議決定をどう考えるか、与謝野財務・金融・経済担当大臣と議論した。前川議員は、衆議院議員選挙前のバラマキがあってはならないと釘を刺し、与謝野大臣は「毛頭考えていない」と答えた。
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