直嶋正行政策調査会長と福山哲郎政策調査会長代理(参院政審会長)は16日夕、国会内で「事業仕分け」の実施について記者会見を行った。
はじめに直嶋政調会長が、民主党は行政改革についてはこれまでも提案してきたとして、具体的には国会議員100人以上を配して政治主導でいまの行政のあり方を根本から見直していくとの考えを明示。そのうえで、現制度の見直しとともに、「事業仕分け」の重要性を指摘し、昨秋の臨時国会で衆議院に平成21年度予算ベースの全事業の資料提出を求める予備的調査の要請を行い、このたび調査報告書が提出されたことを受けて「事業仕分け」を実施すると報告した。
なお、全省庁のうち法務省、文部科学省、経済産業省は今月19日、国土交通省は4月に提出予定で、現時点では未提出。提出された資料は、今後党ホームページで公開する予定だと直嶋政調会長は語り、研究者、メディアはじめ国民の皆さんに対して国の事業について点検を行ってほしいと求めた。
福山政調会長代理は、事業概要説明書の一例を示しながら、各省庁が行っている事業について予算額、新規か継続か、委託先、その委託先がどのような事業を行い、どのような成果物があるのかが容易にチェックできると説明した。これまでの予算書等には示されていなかった点が明らかになることで、税金のムダづかいや、事業自身が本当に有効であるかどうか、さらには業務委託に適切かどうかがチェックできるようになったとその意義を唱えた。
また、委託先が再就職のための組織になっている可能性にも言及。委託事業のみならず本省内で行っている事業についても、内容、評価、コストのかけ方、成果がどのようにあがっているのかなど詳細に確認できるとした。
政権をとった際、税金のムダ遣いを廃止し、予算の総組み替えを行うにあたり、212兆円から財源を捻出し必要な政策経費に回すための準備的側面もあるとして、「政権交代に向け、予備的調査を有効に活用していきたい」と語った。
与党が同様の取り組みを行っていることついて直嶋政調会長は、政治の責任として一定の評価をしたうえで、与党側は試行段階であり、政治主導による大きな行政改革を目標に掲げる民主党とでは、姿勢も考えも違うと主張。福山政調会長も、与党の取り組みは結果として、PTの座長が「不要」と判断した業務が21年度予算において残っているなど中途半端だと指摘、民主党は英断をもって対応していくとした。
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