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2009/03/17
【参院予算委】藤本議員、求められる貧困対策に関して公述人と議論
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 09年度予算案の審議が行われている参議院予算委員会で17日午前、公聴会が開かれ、民主党・新緑風会・国民新・日本の藤本祐司議員が質問に立ち、反貧困ネットワークおよびNPO法人自立生活サポートセンター・もやいの湯浅誠事務局長、大阪大学大学院国際公共政策研究科の赤井伸郎准教授を公述人に迎え、「財政・経済・雇用」をテーマに意見を聴取した。

 藤本議員は冒頭、95年から活動を行ってきたという湯浅公述人に対し、当時と今との状況の違いについて質した。「95年にホームレス支援を開始した」という湯浅公述人は、当時は支援対象者の7、8割は日雇労働者で、そのほかにはDV被害から逃れるために支援を求める母子世帯であったと説明。それが2000年代になって、「若い人が増えた」という印象になり、「両親と同居しているが食っていけない」「アパートに暮らしてはいるが生活できない」といった若者や一般世帯の貧困が増えてきたと述べた。活動開始当時からの「元祖ワーキングプア層」の2階部分に「若い人・一般世帯の貧困」が重なり、そして昨年からの派遣きりによる貧困層が3階部分にさらに重なったとした。

 「どこからどこまで見てもホームレスではない」人の貧困の増加によって、支援の対象がホームレスではなく貧困問題となったとの説明があり、「やっているうちに世の中が落ちてきた」印象だと述べた。そこには(1)企業福祉の縮小と(2)家族が支えるという家庭福祉の縮小が背景にあると分析した。

 藤本議員は続いて、湯浅公述人が「地方においては公共事業には社会保障的な意味合いが見受けられた」とした認識を示したその真意を質問。湯浅公述人は地方における公共事業は「雇用の確保」と「社会保障的な機能」を担ってきたと思うと語り、公的セーフティネットだけで支えるのがうまくできないのであれば、公共事業の社会保障的な性格を強めることはできないのか検討に値すると問題提起した。

 それを受けて藤本議員は、公共事業が従来通り続くとは考えないとしつつも、これまで景気対策、雇用対策といった社会保障的な意味合いがあったことは同一の認識を示し、ただ、これまでは人材育成するという視点が欠けていたと指摘。地方財政、地方経済の喚起ということも含め、公共事業がもつ意味を見直していくべきだとした。

 こうした問題意識に基づく質問に対して赤井公述人は従来通りのやり方ではなく、産業経済の転換、経済活性化に繋がるということでの人材育成が必要だと主張。「単に労働力として使うということでなく、労働の機会を与えることでスキルアップにつなげていく。そういうことも考えながら公共事業を行うことが重要」と語った。

 湯浅公述人はまた、「住まいをまず確保すること」の意味についても意見を陳述。「住まいの喪失によって住民票を失うとごそっと権利を失う」と述べ、仕事に就く機会はもとより選挙権も公共サービスを受ける権利も失うことになるとして、国、地方が連携する形での背策の必要性を浮き彫りにした。

 藤本議員は「希望が出てくることが大事」として同感するとともに、「住居の確保」という短期的対策とともに中長期的意味合での対策を講じて行く必要性を指摘。国・地方自治体・企業・教育施設等が連携する形でのスキルアップのための教育制度も必要と指摘した。

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