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2009/03/17
【参院予算委】広田議員、公平なサービスを受けられる社会を目指し公述人に意見を求める
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 17日午後、参議院予算委員会で公聴会が開かれ、民主党・新緑風会・国民新・日本の広田一議員が質問に立ち、横浜国立大学大学院国際社会科学研究科の井手英策准教授、神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部の山崎泰彦教授を公述人に迎え、「社会保障・国民生活」をテーマに意見を聴取した。

 まず広田議員は、国民全体が公平なサービスを受けられるユニバーサルサービスの社会をつくるために何年かかるかを質し、井手公述人は「景気対策とは違うから時間がかかる。ドイツでは93年から付加価値税を上げ、日々の議論を積み重ねながら順次移行している」として、少なくとも15年はかかるとの見方を示した。

 次に、基礎年金の国庫負担の引き上げに際し、09、10年度は財源として財投特会の金利変動準備金の余剰金を充てることについて見解を求めた。山崎公述人は「誰もが不安定財源だと思っている」と断じ、「消費税が安定財源だが、部分的に相続税などの見直しも必要」と答えた。井手公述人も、「準備金を使うのは良くない。だが、安定財源は消費税とは一概にいえず、消費税を上げるだけでなく、所得税の改正等もセットで出していくことが重要」とした。

 安定財源として消費税増税議論は避けて通れないところでもあるとして、広田議員は何%に引き上げるべきか、忌憚のない意見を求めた。井手公述人は「増税は最後の選択肢。その前に(ドイツやフランスにならって)累進性の強化や相続税など、税制の公正化が必要。その上で3%程度あればいい」との見解を述べた。

 広田議員は続いて4月からの介護保険料の改定などを念頭に、国と地方の役割を質した。両公述人とも地方権限を強化すべきとの意見を述べ、山崎公述人は「日本の基礎的自治体は300〜350くらいに再編すると、医療も介護もうまくいくと思う。現実は、地域に密着しているはずの後期高齢者医療制度が都道府県単位であり、広がりを持っている現役世代の健康保険制度が市町村単位で逆転している。市町村を基本にして、県が後方支援を強化するのがいい」と述べた。

 山崎公述人は同時に、後期高齢者医療制度の年齢区分についても、市町村を基準とした国民健康保険が高齢者医療を引き受ければ、その区分がなくなるとして、「市町村が逃げては成り立たない。何ができるかを議論してほしい。プライマリーケアは国のやることではない」と答え、基礎的自治体の整備を掲げた民主党の政策案は説得力があることを証明した。

 最後に広田議員は、子育て世代の貧困率が上昇しているなか、各自治体が地方財政が厳しいことから、就学援助認定基準が引き上げに着手するところが出ていることを指摘し、教育におけるユニバーサルサービスについて見解を求めた。

 井手公述人は、生活保護受給率の高い地域では子どもの学力が低い傾向にあり、3世代同居率と学力は逆の相関関係となる調査結果を示し、「就学支援はもっとユニバーサルにやらなければならない。女性の就労環境を整えることが学力と相関している。育児・保育のサービスの充実とも結びついている重要な問題だ」と指摘した。

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