一川保夫議員は、19日午前参院予算委員会で行われた集中審議で質問に立ち、自公政権の行き詰まりを指摘。民主党は、子育て支援、農林漁業対策、中小企業対策をしっかりと打ち出し、政権を担うと決意を表明した。
冒頭、一川議員は、16日の予算委員会での麻生首相の「明らかに違法だったから逮捕した」との答弁を取り上げ、国際人権規約の推定無罪原則、三権分立の原則に反するとして撤回を要求した。首相は応じなかった。
次に、石川県金沢市で15日に開かれた「外務大臣と語るin金沢」での発言について、民主党の外交政策を批判したのは、選挙運動に近い、外務省主催の行事での発言にはふさわしくないと批判した。中曽根外相は、委員会で答弁している内容であり問題ないとした。
また、北朝鮮がロケットを使い衛星を打ち上げるとしている問題を取り上げ、もっと国連などを通じて発射しないように北朝鮮側に圧力をかける努力をすべきと主張し、見解を求めた。首相は国連決議違反であるとの認識に立ち、発射されないよう努力していくと答えた。
ソマリア沖での海賊対策で海上自衛隊に海上警備行動を発令した問題についても取り上げ、一義的には海上保安庁の任務であるべきものを今回、新法の制定も待たずに発令した根拠、今後の日本近海以外での行動に関するガイドラインを設けるべきだという見解を示した。
浜田防衛大臣は、ソマリア沖海域の我が国にとっての重要性や、各国の派遣例を挙げたものの、発令の緊急性や今後のガイドライン設置については答えなかった。金子国土交通大臣も、遠距離であることや、海上保安庁の警備艇の装備の関係であることを挙げたが、「なぜ海上自衛隊なのか」について積極的な見解は示さなかった。
一川議員は最後に「政治と宗教」の問題に言及。自公連立政権がすでに10年を経過し、選挙では一つの政党であるかのように取り組んでいると指摘し、一つの政党になったらどうかと提案した。また、この間の日本の現状をみれば、さまざまな政策課題に対して自公政権は有効に機能しておらず、行き詰っていると強調。その原因は、民意を反映していないことにあると述べた。
そのうえで、公明党が宗教団体に支えられた存在であること、そのような政党が政権にあって政策に介入していることは問題であり、今までの予算委員会でも取り上げられていると指摘。宗教法人としての適格性について調査したかを質問し、塩谷文部科学大臣は、「していない」と答えた。
一川議員はまた、この間の創価学会による矢野絢也元公明党委員長への言論妨害、脅迫、寄付の強要も取り上げ、矢野氏と元公明党参院議員の福本潤一氏を参考人として招致し、集中審議を行うよう要求。この要求は理事会で協議されることになった。
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