喜納昌吉議員は19日午前、参議院予算委員会の外交・安全保障等に関する集中審議で、西松建設関連の政治献金問題における検察捜査のあり方、グアム協定に関して麻生首相をはじめ関係閣僚に質問した。
喜納議員は、麻生首相への「日本は民主主義の国か」との質問からスタート。民主主義国家ならば三権分立が健全に機能していなければならないと主張、行政のトップとしての麻生首相ならびに検察組織を指揮する立場の森法務大臣に対して、西松建設関連の政治献金問題における小沢一郎代表の秘書逮捕をめぐる検察の行動について認識を質した。
「(検察は)それなりに業務執行していると理解している」として、問題意識が何ら感じられない麻生首相に喜納議員は、今回の秘書逮捕については多くの国民が疑問を感じていると指摘。不公正・不公平だという国民の声をどう捉えるかと厳しく迫ったが、森法務大臣は「検察は法と証拠に則り適切に対処されるもの。政治的意図をもって捜査を行うことはありえないと確信している」と強弁、麻生首相も「犯罪の嫌疑があり、逮捕の必要性があるとの判断のもとに行ったのだろう」と述べ、認識の甘さを露呈した。
また、小沢代表の元秘書である石川知裕衆院議員の参考人聴取にも触れ、本来任意であり相手の人権を配慮すべきものを、事前に大々的に報道するなど選挙前のイメージダウンにも繋がると懸念を表明、人権面を含めもっと慎重なやり方あるのではないかと提起した。
麻生首相はこれに対し、「法と証拠に則り対処しており、選挙のことを考えて対応することない」と述べ、人権を無視した捜査方法への答弁を避けた。
喜納議員は今回懸念されるような検察の不正や行き過ぎた強制捜査、冤罪に対するチェック機関はどこがするのかと質問。森法務相は、検察官は法務大臣に一般的な指揮監督権に服する旨が規定されているとしながらも、司法権と密接不可分な関係でありその独立性を確保することも要請されているため、個々の事件の取調べまたはその処分に対する指揮権の対象は検事総長のみであり個々の検察官には及ばないと主張、今回の行動に関しても、「全幅の信頼を寄せており指揮権を行使することは毛頭考えていない」とした。この答弁に喜納議員は、「検察は人権を拘束する力をもっているにもかかわらず、何らかのチェック機能、矯正する機関はないのか」と危機感をあらわにした。
最後に喜納議員は、2月17日に中曽根外相とクリントン米国務長官が署名したグアム協定を取り上げ、その内容を確認。海兵隊のグアム移転について、ロードマップに則り実施するためのものであり、沖縄県民の強い要望である負担軽減に応えるもの」と説明する中曽根外相に対し喜納議員は、「『沖縄県民が要望する』というのは怪しい表現」だと指摘。辺野古の基地移転は県民の要望ではない。もっと賢明な知恵を出し、新しい基地をつくらない方向に向かうことを願うと述べ、質問を締めくくった。
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