鳩山由紀夫幹事長は20日夕、鳥取市内で会見して記者からの質問に答え、同県県連代表の川上義博参議院議員、おくだ保明・鳥取1区総支部長、湯原俊二・鳥取県2区総支部長も同席した。
次期衆院選での鳥取での勝算に関する問いには「鳥取はいわゆる自民党が非常に強い保守王国。それだけにそんなに楽ではないと思っている」と述べつつも、「しかし、2年前の川上義博参議院議員の選挙で見事、すばらしい票を川上さんが出してくれて、そのことによって民主党がこの保守王国で充分に戦える基盤ができた」と述べ、第1区、2区とも充分に勝算がある、十分に勝機はあると指摘した。
深刻化する地方の雇用環境、景気動向の前に、地方の景気対策はどうあるべきかに関しては、地方がここまで疲弊した原因は、サブプライムローンのショックということだけではなく、むしろその前からの小泉政権下で提唱された新自由主義に基づいた間違った経済政策によって地域の格差が広がったことに起因すると指摘。「こうした、いわゆる弱肉強食の経済政策を転換をさせない限り、この国、特に地域が大きな元気を取り戻すことはあり得ない。麻生政権を打倒しない限り、地域はよくならないと思っている」と語った。
「地域を一番よくする方策は民主党が充分に考えを有していて、一番には地域主権の国に変えれば地域の景気がよくなることはまちがいない」とも強調。権限も財源も地域に戻す、この行政の有り様の完全転換によって地域は必ず元気を回復するとの認識を示した。また「さらに、一次産業などを中心として生活をよくすることで経済はよくなると私たちは考えていて、(そうした視点で)それぞれの地域の生活を守るための施策を作り出していく」と表明。
同時に、雇用に対して直接的に働きかける制度をつくればいいとの認識を示し、「定額給付金のような2兆円があれば、(一人当たり年間200万円の所得と考えると)地域によって100万人の雇用を作り出すことができるわけである」と分析。100万人の雇用をつくるような施策、雇用をいかに生み出すかという政策を国がリードして行っていくことが求められていると述べた。
小沢一郎代表の公設第一秘書逮捕に関する東京地検特捜部の捜査に関しては、「必ずしも国策捜査だというようなことを大々的に申し上げるつもりはない」と表明。しかしその一方で、「選挙がいつあるかわからない、選挙を間近に控えている時期に、可能性としては最も次期総理大臣に近い小沢代表の秘書がなぜ狙われたのか。しかも形式犯で、本来ならば行政指導によって修正申告すればすむような容疑で逮捕までされたのか。おかしなことばかり感じていて、東京地検の今回のあり方に対して、疑惑を禁じえない」と語った。
「検事総長をはじめ、検察庁の皆さん方からまずは説明責任を果たしてほしい。行政の一環としてやったという検事総長の言葉もあるわけだから、そうであるならば、なぜ行政として説明責任を果たさないのか」と強く訴え、説明責任を求めていく考えを表明した。
同時に東京地検特捜部が小沢代表本人の参考人聴取を見送る公算が大きくなったことについては、「聴取の必要はなく、聴取に至らないのは当然」と指摘した。また、小沢代表の進退に関しては「起訴されるのかされないのか、小沢代表まで(捜査が)及ぶのか及ばないのか、起訴の理由は何なのかと、さまざまな状況で判断は変わる。小沢代表の決断を党として理解し、影響を最小限に食い止める努力をしていきたい」と述べた。
また、昨晩19日に行った小沢代表との懇談について、そのときの小沢代表は「こんなことで自分が負けてしまってはその後の日本の政治というものがきわめて危うい、政党政治が危うくなる」と危機感を強く表明していたことを鳩山幹事長は明らかにした。「ポストにこだわっているところはまったく感じなかったが、検察のあり方、やり方に対しては戦っていく姿勢を強く感じた」とも語った。
政治資金規正法改正への政治改革推進本部を中心とする民主党内の動きについては、「当然のことながら原理原則から議論しようということからスタートしている」と説明。
収支などについてディスクローズしてきた小沢代表の身に秘書が逮捕されるということが起きただけに、生半可な政治資金規正法改正では不十分、検察に何でも利用されてしまいかねない事態が出てくるとも指摘。従って「やるならば徹底的にやらないと意味がない」という小沢代表の判断をきわめて重く受け止めて、その方向に党内の議論をリードしていくことが必要だと思うと語った。民主党としては、「できる限り、党として厳しいものをまとめ上げていく責務があると感じている」とも語った。
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