民主党は24日午後、野党共同で「戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案」を参議院に提出した。民主党から谷博之、那谷屋正義、下田敦子、今野東、中村哲治議員が出席し、提出後に各党各会派共同で会見した。
同法案は、第二次大戦後、旧ソ連のシベリアやモンゴルに強制抑留された方々が強制労働に従事させられ、対価の支払いを受けていないことなどの事情にかんがみ、日本に帰還した戦後強制抑留者で、法律施行日において日本国籍を有する者に、帰還の時期の区分に応じた特別給付金を支給するもの。強制抑留の実態解明や情報の収集、調査、次世代への体験継承などの措置を講ずることも盛り込んだ総合的な内容となっている。
会見で谷議員は、シベリア抑留者に対する戦後補償の問題について「今から3年前に一度、与野党の議員立法を国会で議論した結果、ひとことで言えば、10万円の旅行券を支給するということで(与党案が通り)、国会における決着をその時点で見た」と報告。
そのうえで「あまりにも当事者にとって補償というには程遠い内容」と強調し、「国の責任において補償するという法案をしっかり出さない限り、この問題の解決はありえないという観点から、再び法案を作成して提出した。参議院で議論をして衆議院に送付し、成立させたい」と決意を述べた。
谷議員はまた「歴史的にも風化し、記録の保存が非常に難しくなっている」と指摘、施設の建設の検討なども含めて散逸する恐れがある記録をしっかりと保存し、シベリア抑留経験を引き継ぎ、平和に対する思いを伝えていくことが国の責任であるという思いを語った。
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