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2009/03/25
「高校無償化法案」および学校教育力の向上3法案を参議院に提出
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 民主党は25日午前、「国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校等における教育に係る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の支給等に関する法律案(高校無償化法案)」および学校教育力の向上を目的とする「教育職員の資質及び能力の向上のための教育職員免許の改革に関する法律案(教職員免許制度改革法案)」「学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法及び簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律の一部を改正する法律案(教員数拡充法案)」「学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案(教育環境整備法案)」の4法案を参議院に提出。直嶋正行政策調査会長をはじめ、発議者の福山哲郎政調会長代理、鈴木寛『次の内閣』ネクスト文部科学副大臣、水岡俊一、藤末健三、植松恵美子、大島九州男各参院議員が事務総長室を訪れ、法案を手渡した。

 提出後の会見で鈴木ネクスト文科副相は、高校無償化法案の概要について、交付税単価と同額とする高等学校の標準授業料額を設定し、国公私立全ての高等学校等の生徒の保護者に対して授業相当額の就学支援金を支給することにより、公立高等学校における教育の実質的無償化を推進し、私立の高等学校等の教育に係る負担を軽減するものだと説明。私立の高等学校等の生徒の保護者のなかで年収500万円以下の世帯に対しては特に、標準授業料の2倍の額を支払うとした。

 鈴木議員は、現下の経済情勢において16〜24歳の子どもをもつ世帯における教育費が家計へ与える影響は大きく、また、年収500万円以下の世帯が従来の12%から直近の調べでは28%になり、今後さらに増加が見込まれていると指摘。このような状況のなか、学習権を確実にするための法案だと、意義を強調した。

 学校教育力の向上を目的とする3法案については、学力低下、特に保護者の経済力によって塾に通えるか否かの差が子どもの学力格差に繋がっているとして、小泉政権以降の自公政権における教育費縮減方針はますます学力格差を生むことになると危機感を表明。「全ての子どもの学習権の保障。機会の平等の完全確保」を掲げる民主党のテーゼを実現するためのものだと話した。

 3法案のうち「教職員免許制度改革法案」は、教員の資質及び能力向上のため、大学での養成過程の充実を図り、教員の一般免許を得るには現在の4年生大学修了ではなく、一年間の教育実習を含む2年間の修士修了者を前提とするもの。また、免許状取得後実務経験8年以上を経た後には教職大学院大学で一年の専門的な教育を受けた場合、従来にはなかった質・能力向上させた者に専門免許状を授与するとしている。

 「教員数拡充法案」は、少人数の児童または生徒による学級編成など、きめ細やかな教育を行えるよう、教育職員等の十分な人数配置の確保を図るもの。

 「教育環境整備法案」は、各地方公共団体がより良い教育環境を整備するため、安定的な財源の確保・充実を図るもの。今回の留意点として、中学校夜間学級や外国人の子どもに対する学校教育の環境の整備などを念頭に置いた規定を追加することを盛り込んだと説明した。

 そのうえで、学習権を保障するための支援が十分確保できていないことに加え、深刻な経済情勢のなかでさらに確保が危ぶまれる懸念があると指摘。「何人も学習権を保障する」との観点から、国が姿勢を示し、そのための予算を確保することが必要だとして今回の提出に至ったと経緯を述べた。

 また、今国会での文部科学省の法案提出状況に対して極めて遺憾であると表明。初等中等教育関係、高等教育関係の法案提出が一切ないとして、家計にかかる教育費の負担の大きさを何ら考慮しない、将来を担う児童、生徒への麻生政権の姿勢を問題視、「麻生政権の政策の空白を生めるためにも国会での議論を深め、成立を目指したい」と、語った。

 水岡議員は、教育に係る施策を検討するなかで「何人も」に重きを置いて考えてきたと述べ、様々なかたちで学習権を保障していく必要性を強調。大島議員は、少子高齢化対策にも資する内容だと述べた。

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PDF 高校無償化法案
PDF 教職員免許制度改革法案
PDF 教員数拡充法案
PDF 教育環境整備法案
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