民主党は26日午前、社民・国民新の両党と共同提案の「年金記録回復促進法案」を参議院に提出した。民主党からは、直嶋正行政策調査会長、津田弥太郎、蓮舫、中村哲治、加賀谷健、行田邦子各議員が出席し、国会内で会見した。
直嶋政調会長は「年金記録の回復をできるだけ速やかに行って、記録を失った方の救済をすることがこの法案の趣旨である」として、年金保険料を天引きされた方が不利益をこうむらないようにする観点で法案を取りまとめたことを報告した。
法案では、厚生年金保険の保険料を天引きされた事実などを判断するにあたっては、申立人の申立を十分しん酌し、記録をできる限り収集し、社会通念上、明らかに不合理だといえないと認める場合には事実だと判断を行うよう、第三者委員会に義務付ける。また、厚生年金記録の改ざん問題もふまえ、事業主が保険料を納付していない責任が国にないと認める場合にのみ、特例納付保険料の納付を勧奨するように現行法を変更する。
直嶋政調会長は、現行法の施行から2年を経たことに関し、総務省に設置された年金記録確認第三者委員会は、申立事案の35%をあっせんと裁定していると指摘。申立人から同委員会へと立証責任の転換を図り、国民年金についても同様の趣旨として、救済の拡大につなげたいという考えを示した。
法案作成を担当した津田議員は、この法律ができた際、安部元首相は、ご本人の立場に立って申立を十分にくみとり公正な判断を示すことを第三者委員会の任務としたが、本当にその通りになっているのかと指摘。申立人の多くがご高齢の方であり、申し立て内容を立証する事実を探すにも限界があることから、納めたにもかかわらず証明ができないために泣き寝入りする人が出ることを避けるべきだという見解を語った。
所要経費は約15億円。「年金記録回復促進法案」は通称で、正式名称は「厚生年金保険の保険給付及び保険料の方法の特例等に関する法律の一部を改正する法律案」。
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