党人権・消費者調査会長の仙谷由人議員はじめ枝野幸男、小宮山洋子、園田康博各衆議院議員は3日、午前中は河村建夫内閣官房長官に、午後は野田聖子消費者行政推進担当大臣に、消費生活相談員および国民生活センター相談員の勤務条件、権限について抜本的措置を講ずるよう、申し入れ(下記ダウンロード参照・野田大臣への申し入れ内容も同様)を行った
これは、衆議院消費者問題に関する特別委員会における質疑及び参考人からの意見聴取や内閣府が昨年11月に行ったアンケート調査により、消費者行政として現場で消費者の苦情や相談に対応している、地方消費生活相談員及び国民生活センターの相談員の権限と処遇が極めてミゼラブルな実態であることが明らかになったことを受けたもの。
申し入れでは、相談員が過酷な労働条件のもとに「官製ワーキングプア」の状態となっているとともに、権限が明確でないために事業者に対して適切なあっせんや指導が行えない状況を指摘。消費者行政の抜本的転換のためにも、この問題を早急に改善し、適切な権限と処遇を与えるべきであるとして、政府はあらゆる機会を通じて、抜本的措置を講ずるよう強く要請するとしている。
仙谷議員は記者団に対して、この申し入れは非正規職員で平均年収が160万円という消費生活相談員および国民生活センター相談員の処遇改善に特化したものだと説明。消費者行政の制度改革であり容易ではないとしながらも、この問題を置き去りして消費者問題の議論はないと主張、野田大臣もこれに対し「同感である」と応じたことを明らかにした。
仙谷議員は、この申し入れと、審議中の消費者問題に関する法案の修正協議とは別であるとしたうえで、相談員の問題は最低限の基本であり、知事、都道府県、市町村の相談センターの体制をどうするのか、どれだけの任務を与えるのか、自治義務としながらどれだけの権限を与えるのかなど、いろいろな問題が未整理だと指摘。今後予定されている地方公聴会、中央公聴会をはじめ、より良い消費者行政に向けて議論を尽くす考えを示した。
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