藤村修『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣は9日午前、厚生労働省を訪れ、現下の雇用危機を乗り切るため、労働法制の遵守、社会保険の適正な適用及び雇用の維持・確保に全力をあげるよう、民主党はじめ社民、国民新の野党3党共同で舛添厚労大臣に対して要望書(以下ダウンロード参照)を手渡した。申し入れには、細川律夫党緊急雇用対策本部事務総長、山井和則ネクスト厚労副大臣、大島敦衆院議員、社民党の阿部知子議員が同席した。
要望書では、雇用保険に未加入の非正規社員等及び失業給付の期間が終了してしまっているにもかかわらず職につけない人に対して、民主、社民、国民新が共同提出した「求職者支援法案」(下記関連記事参照)の趣旨を最大限尊重しつつ、新たに求職中の人の生活支援を含めた雇用対策について早急に実施することをはじめ、雇用主は派遣労働者や機関工等の労働契約の途中解除や採用内定取り消しを安易に行わないこと、ハローワークの体制強化などを求めている。
藤村ネクスト厚労相が申し入れの趣旨、概要を説明。続いて法案発議者の大島議員は、急激に悪化する雇用失業情勢において、厚労省に係らず政府全体として取り組まないと機能しないとの認識を示し、幅広くしっかりとした対策が必要だと指摘。非正規労働者のみならず、正規労働者も厳しい環境にあると述べ、要望書に掲げた政策実行こそが国民の皆さんの大きな安心につながると述べた。また、3万人を超す自殺者にも言及、自殺防止の観点からも、就業支援を受け、能力開発プログラム等を受講し、仲間をつくることが必要だとした。
細川事務総長は、「現行の雇用保険制度で救済されない、またその適用が切れてしまった人々を何とかしないといけない」と述べ、雇用保険と生活保護の中間のセーフティネットの重要性を強調。山井ネクスト厚労相は、短期的な措置でなく財源を確保して恒久的な措置を講じることこそが本当のセーフティネットの構築につながると説いた。
これに対し舛添厚労相は、「できるだけのことをやりたい」と前向きな姿勢を示し、民主党が指摘する雇用保険制度と生活保護制度の間の人々への対策の必要性にも言及。「思いは同じであり、党派を超えて取り組みたい」と応じた。
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