小沢一郎代表は10日午前、米国のマケイン、グラハム、クロブシャー各上院軍事委員会委員(超党派)を党本部に迎え、外交、安全保障、経済問題について意見交換した。鳩山由紀夫幹事長が同席した。
冒頭、小沢代表は、桜が満開の一番良い季節に訪日されたと一行を歓迎し、マケイン上院議員は「大変素晴らしい眺めだった」と千鳥ヶ淵の桜に言及。小沢代表は、大統領選を戦った疲れも見えずお元気そうだとして「ぜひこの機会に色々ご高説を承れれば幸いだ」と述べた。
会談で小沢代表は、民主党政権になれば日米関係がおかしくなるという誤解が一部米国内にあることについて「もし我々が政権を取れば、自民党よりはるかに米国にとって信頼できるパートナーになると確信を持っている」と表明、米国側の懸念を完全にぬぐいさった。
日米関係については「政治・経済の両面で、もっと緊密な関係にしなければならない」と主張。特に経済面では、日米の自由貿易協定の締結に賛成で、日米自由貿易体制の確立による関係強化を望む考えを示した。
北朝鮮問題についてマケイン上院議員からは、中国が北朝鮮へ強い制裁をとる考えがないことは明らかで、そういう意味でも日米関係のさらなる強化が重要だという指摘がなされた。小沢代表は、極東の不安定化が進めば中近東以上に世界の混乱の引き金になる懸念があるとして、中国との今まで以上の信頼関係構築が必要と指摘、「日米両国が協働していかに中国を民主化、安定化させるかが最も大きなテーマだ」とした。
また、オバマ大統領がアフガニスタンへ米軍を増派する方針であることについて、小沢代表は「軍事力ではアフガンを治めることはできない。軍事力では、政府を倒すことはできても民を治めることはできない。したがって今のやり方には賛成できない」と明確に見解を述べた。
経済・金融問題については「それぞれの国が経済を再生させることがまず大事だ」と指摘。「企業の利潤を国民の生活向上につなげない限り、消費購買力は上がらない。民主党としては格差を少なくして購買力を高める仕組みを作り上げることが必要と考え政策を出している」と答え、企業の利潤分配も政府の公共投資も、国民生活を直接向上させることに効果のあるものに取り組むべきであり、国民の購買力を高めるために所得再配分の仕組みを改めることが民主党の基本政策だと説明した。
マケイン上院議員一行は来る総選挙に向けてエールを送り、小沢代表がにこやかに応じて率直かつ和やかな会談を終えた。
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