民主党政策調査会長
直嶋 正行
本日、在沖縄米海兵隊のグアム移転に係る協定が、衆議院を通過した。
民主党は、日米同盟はわが国安全保障の基軸であり、アジア太平洋地域の平和と安定の礎と位置付けている。北朝鮮の核・ミサイル開発問題など東アジアの安全保障環境の変化を踏まえ、米軍の世界戦略を見据えつつ、在日米軍基地のあり方を検証し、地位協定や日本が分担すべき費用等については見直す必要がある。
特に、厳しい財政事情の下で貴重な税金を投入することから、グアム移転に伴う経費総額102.7億ドルのうち、日本側が約6割を負担する理由と積算根拠を明らかにすべきである。また、米側の支出がなければ移転が進展しないにもかかわらず、米国では本協定の議会承認を求めていない。米側の経済危機と防衛費削減等により、移転がロードマップに従って順調に進むとは限らず、日本側のみが資金を拠出することになるのではないかという懸念もある。
沖縄の負担軽減がグアム移転の大きな目的であるにもかかわらず、移転と普天間飛行場の代替施設の完成がパッケージとされていることは、大きな問題がある。沖縄からグアムへ移転する海兵隊の要員約8千人とその家族約9千人についても、定員と実数に大きな差がある現状に鑑み、実際にどの程度削減されるのか不透明である。
以上の論点について、政府の説明責任は全く果たされず、本協定には反対せざるを得ない。参議院においても徹底して政府側に説明を求めつつ、本協定の基となる米軍再編をどのように進めていくのか、改めて本質的な議論を行っていく。
以 上
|