党緊急雇用対策本部のメンバーが16日午前、神奈川県横須賀市にある自動車関連部品工場を訪れ、急激な不況に苦しむ製造現場での請負労働の実態を視察した。参加したのは、小沢鋭仁、大島敦、高山智司各衆議院議員と小林正夫参議院議員。地元の民主党神奈川県第11区のよこくめ勝仁総支部長も加わった。
この工場では、隣接する大手自動車メーカーが生産する小型車のフロントシートに使う金属フレームの製造工程を、大手人材派遣会社が請負契約を結んで担当している。対策本部の議員は、工場で10名の作業員による部品溶接ラインを見学した後、工場長や派遣会社の担当者と意見交換を行った。
派遣労働者の解雇、雇い止めが問題となっていることについて、派遣業界大手であるこの会社では、「受注変動に対しては従来から他業種への配置転換などで対応してきた」としながら、「昨年末からの急激な受注落ち込みによって、雇用していた派遣労働者を半分以下にまで削減せざるをえなかった」と担当役員が苦境を訴える場面も。また、「製造派遣よりも、企業としての付加価値を生む『請負による製造受託』を志向し、技術研修の強化や、派遣社員のメンタル面でのサポートに努めている」として、全員が社会保険や雇用保険に加入するなど、派遣元企業としてコンプライアンスを重視しているとの説明もあった。
議員側からは、派遣から請負へ事業を転換する流れが起きている中で、厚生労働省が定めている労働者派遣事業と請負事業の区分について、製造現場で実際に行われている作業との間に乖離がないかどうかや、偽装請負とみなされる危険はないかなど、現場の作業実態に照らし合わした議論が交わされた。
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