川内博史議員は23日午後、衆院本会議で「海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案」(海賊対処法案)への反対討論に立った。
川内議員は、このなかで、海賊行為は人類共通の敵であり、海賊対策にかかる活動は国際社会への大きな貢献であるとしながらも、政府の海賊対処法案は「はじめに自衛隊派遣ありき」の法案であり、シビリアンコントロールの観点からも絶対に認めらないと訴えた。
まず、海賊対策は本来、海上保安庁の任務であり、海上保安庁法第4条には「任務遂行のため船舶及び航空機は適当な構造、設備及び性能を有する船舶及び航空機でなければならない」と定めていることを指摘、必要な予算措置をとることも、船舶等を建設せずにただ単に自衛隊を派遣すればいいとの政府の対応を厳しく批判した。
また、民主党が海賊対処本部の設置、自衛隊派遣の国会事前承認などを求めて修正協議を行ってきたことにも触れ、政府・与党がゼロ回答だったことに強い抗議を表明した。
さらに、今回の自衛隊派遣は、従来と異なり、「必要とあれば武器の使用も辞さない、武器使用が許されている極めて実戦に近い対応が迫られ、場合によっては当事者の殺傷に至ることも覚悟せねばならない大変危険な活動」であるとして、国会によるシビリアンコントロールが不可欠であると主張した。
法案は与党などの賛成多数で可決された。
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