民主党・新型インフルエンザ対策本部は28日夕、国会内で会議を行い、同日WHOが豚インフルエンザ拡大に伴い、警戒水準を引き上げ、フェーズ4(新型インフルエンザの発生)を宣言したことを受けて、内閣官房など各省庁から新型インフルエンザの状況ならびに政府の対応についてヒアリングを行った。
はじめに菅直人代表代行(同対策本部長)が挨拶に立ち、メキシコ等で発生している新型インフルエンザの対応をさらに検討するため、対策室を強化して対策本部に格上げしたことを説明。「現時点で、メキシコで亡くなった方がどこまでウイルス感染した方なのか、毒性がどの程度のものか詳細がはっきりしていないが、1週間で全世界に広がりをみせている」とし、まさに地球の危機管理を必要とする問題であるとの認識を語った。
そのうえで菅代行は、「我々としても実態を把握して、行政が気付かない所に意見を述べ、行政とは別の立場から国民への注意勧告や過剰に反応しないように訴えていくため、しっかりと取り組んでいきたい」との考えを明らかにした。
次に内閣官房から新型インフルエンザ発生に伴う対応について、25日から同日にかけての政府の取り組みや基本対処方針の報告、厚生労働省から各国の発生状況、食品安全委員会から豚肉・豚肉加工食品の安全性などについてヒアリングを受けた。
ヒアリングの後、質疑が行われ、生きた豚の輸入措置、ワクチンへの対応、ウイルス株の早期特定、感染の恐れや感染している区分の見極め、在外邦人の安全の確保などについて質問が出された。
会議を終えるにあたり菅代行は、「敏感にならなければいけないことと同時に、我々が不確定なことを言ってもいけない。もう少し外国の状況を把握し、国内的にも危険なものかを感度を高くしながら慎重に行動していく必要がある」とまとめ、状況に応じて随時会議を行っていくこととした。
会議の後、直嶋正行政調会長(同対策本部長代行)が記者団に対して、「厚労省の専門官からフェーズ4になったことの理由として、豚から人への感染から人から人への感染に変わったことが一番注意しなければならないとの説明を受けた」と報告。また感染者からウイルス株を検出できている例が少ないなかで、感染経路を全て把握しきれていない状況であることも説明。現状、党として当面の対応を取る所まで判断できかねる状況から、様々な情報を入手ながら、30日の衆院厚生労働委員会での説明などを踏まえて、対策本部として改めて検討していく意向を明らかにした。
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